働き方

2024.05.23 16:00

リモート勤務者への偏見、「近接性バイアス」に負けない仕事術

Shutterstock.com

パンデミックが残した最も重要な遺産の1つは、リモートワークの台頭である。WFHリサーチによると、米国では2023年時点でフルタイム従業員の12.7%がリモートで働き、28.2%がリモート勤務と出勤を組み合わせたハイブリッドモデルで働いているという。

フリーランス向けプラットフォームのアップワークは、2025年までに米国で推定3260万人がリモートで働くようになると予測している。リモートワークには、ワークライフバランスの充実や柔軟な働き方ができるなど多くの利点がある一方で、欠点もある。そのひとつが、近接性バイアスだ。

近接性バイアスとは、権力のある立場の人が、物理的に距離が近い従業員を優遇することを指す。認知バイアス(先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまうこと)と同様に、意図的でないこともある。

管理職の中には、リモートワーカーはオフィスに通勤する同僚よりもコミットメントが低いとみなす人もいる。実際、米国人材マネジメント協会(SHRM)の調査では、リモートワーカーを抱える管理職の3分の2以上が、リモートワーカーはオフィスワーカーよりも「替えが利く」と考えていることが明らかになった。さらに、42%の管理職が、仕事を割り振る際にリモートワーカーの存在を忘れてしまうことがあると告白している。

リモートで仕事をしているために、あなたの優れた貢献が見過ごされがちになっていないだろうか? 近接性バイアスに正面から取り組むためにできる行動をいくつか確認してみよう。

上司を「管理する」

上司を管理する技術をマスターすることは、キャリアの成功に不可欠だ。効果的に行うには、上司が何を必要としているのか、そして、そのニーズを満たすために自分がどのように手助けできるのかを理解することが重要だ。まずは、好奇心を持ち、上司のニーズを予測することから始めよう。

上司が期待していることが明確でない場合は、直接尋ねてみよう。共感を実践するのもよいアイデアだ。上司の気持ちを認め、肯定してあげよう。

上司と信頼関係を築くには、まず上司があなたを信頼する必要がある。そのため、早くから密にコミュニケーションを取ることが重要だ。毎週打ち合わせを行い、プロジェクトの最新情報を共有したり、仕事上の目標を話し合ったりしよう。上司の提案に耳を傾け、一緒に自分の能力を向上するための計画を立てよう。上司の指導を仰ぐことで、彼らをあなたの最大の支持者に変えることができる。

人間関係を構築し、維持する

近接性バイアスを克服するには、リモートワーク中もチームとのつながりを保つようにすることが必要だ。コミュニケーションの方法を意図的に工夫するのだ。

たとえば、バーチャルなコーヒーブレイクの予定を立てる、特定の時間に自分がオンラインにいることを伝えてそこに誘ってみる、ブレイクアウトルームのような少人数制のグループ機能を活用する、などの工夫ができる。
次ページ > 自分の「見える化」を進める

翻訳=江津拓哉

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事