ヘルスケア

2024.05.18 10:00

ロンドンではしか感染相次ぐ、英国内の流行拡大

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英国ではしか(麻疹)の流行拡大が続く中、ロンドンでの感染者が急増している。当局や医療関係者、感染児の親たちは、子どもにワクチン接種を受けさせるよう保護者に呼びかけている。

英健康安全保障庁(UKHSA)の報告によると、ロンドンでは先月だけで70人以上の患者が検査で麻疹陽性と確認された。イングランド全域での感染確認は約200人に上った。

冬の間に感染拡大が報告されていたバーミンガムなど中部ウェストミッドランズでは、流行がピークアウトを迎えたようだ。しかし、依然として症例の報告は続いており、先月は37人の感染が確認された。

昨年10月以降、これまでにイングランド全域で1458人の患者が確認されている。これは、2022年の感染報告数の2倍以上に相当する。

はしかは感染力が非常に強く、発熱、鼻水、咳といった症状に加え、特徴的な発疹が現れる。重症化すると失明や難聴などの深刻な合併症を引き起こす恐れがあり、死亡する場合もある。妊婦が感染すると、早産や流死産を含む産科合併症のリスクが高まる。

低いワクチン接種率

はしかにはワクチンが優れた予防効果を発揮するが、英国では近年、接種率が低下している。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより子どもの予防接種計画が一部中断を余儀なくされたことで、状況はさらに複雑化した。

世界保健機関(WHO)は、5歳までに人口の95%に2回のワクチン接種を行うことを各国に推奨している。だが、英国の接種率は1回目が約90%、2回目が85%に低下している。

なお、英国は5年前にWHOから麻疹排除認定を受けたばかりだ。

ロンドン西部の開業医アンドリュー・スティーデンはBBCに、過去のワクチン接種の成功が接種率の低下につながった側面もあると指摘。「人々はワクチン接種が必要な病気の多くは、もうなくなったと思っていた。しかしロンドンでは間違いなく、予防接種率の低下を背景にさまざまな感染症が復活している。だから私たちは皆、注意して用心深くできる限りの予防策をとらなければならない」と述べた。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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