健康

2024.03.07

コロナワクチン217回接種、免疫の状態は? ドイツで驚きの調査結果

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桁違いに多い回数の新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種した人の免疫系はどうなっているのか──。約2年半で217回もの接種を受けたと主張するドイツの男性(62)を実際に調査した研究結果が、このほど発表された。

同一ウイルスに対するワクチンをこれほど何度も繰り返し接種したことで、この男性の免疫系が疲弊しているのではないかと研究者らは懸念していたが、実際にはその逆であることが判明した。

医学誌『ランセット感染症』に発表された分析結果によると、男性の免疫系は正常に機能していただけでなく、新型コロナウイルスに対する免疫力も、通常回数のワクチンを接種した人より優れていた。

公的な記録によれば、男性は9カ月間にmRNAワクチンを含む8種類のコロナワクチンを134回接種していた。一方、本人は29カ月間に計217回の接種を受けたと主張している。

なぜ男性がこれほど多くのワクチンを接種したのかは不明だ。2023年5月(最終更新時)の米疾病対策センター(CDC)のデータでは、米国人の69.5%が最初のコロナワクチン接種(2回)を完了している。その後、接種状況の包括的な追跡が中止されたため米国内の一般的な接種回数は把握が難しいが、多くの人が改良版の2価ワクチンを追加接種しており、免疫不全の人の接種回数はさらに多い可能性がある。だが、5、6回以上接種した人はほとんどいないと考えられる。

この男性の接種回数は極めて異例だ。男性が住むドイツ・マクデブルク市の検察当局は、詐欺の疑いで男性を捜査したが、男性は不起訴となった。

研究チームは新聞報道でこの男性のことを知り、研究への協力を打診した。エアランゲン大学病院微生物学研究所のキリアン・ショーバー博士は「男性に連絡を取り、エアランゲンでさまざまな検査を受けるよう勧めた。男性はとても興味を持っていた」と述べている
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翻訳=溝口慈子

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