ヘルスケア

2024.05.08 11:30

鳥インフルエンザの人間への感染、次のパンデミックになるのか?

Getty Images

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鳥インフルエンザがここ数十年の間に鳥の間にとどまらず、家畜にまで広がったことは、恐らくみなさんも耳にしたことがあるだろう。

インフルエンザA型ウイルスの一種である鳥インフルエンザが人間に感染した例は1997年以降、世界23カ国で1000件弱報告されている。高病原性鳥インフルエンザH5N1型は、鳥インフルエンザの中でも人間に感染しやすく、多くの場合、家禽(かきん)に触れることによって感染する。

同ウイルスは感染した動物との接触で、唾液やふん便、呼吸器飛沫(ひまつ)などの体液を通して感染する。人間が感染した動物の体液に触れ、その手で自分の目や鼻、口などに触れるとウイルスに感染する可能性がある。また、動物の生息地にウイルスが存在する場合、空気中の細かいちりやほこりを吸い込むことでも感染する。

だが、鶏肉や卵を食べても、適切に調理されていれば鳥インフルエンザに感染することはない。これまでに米国の食料品店で販売されている牛乳から鳥インフルエンザウイルスの残骸が検出されているが、現時点で入手可能な証拠はすべて低温殺菌牛乳は安全であることを示しているため、殺菌処理の施された市販の牛乳を飲んでも感染する恐れはない。実際、米食品医薬品局(FDA)は卵接種試験の暫定結果に基づき、低温殺菌牛乳は安全だと発表している。

米国で人間がH5N1型ウイルスに感染した事例は、これまでに2件報告されているに過ぎない。2022年に中部コロラド州の養鶏場で、先月には南部テキサス州の酪農場で、それぞれ職員が感染した。いずれの場合も症状は軽く、合併症を引き起こすことなく回復した。

鳥インフルエンザの主な症状は、発熱や喉の痛み、咳、鼻水、涙目、筋肉痛、疲労感などで、一般的な人間のインフルエンザと類似している。場合によっては、鳥インフルエンザは肺炎や呼吸不全など、重篤な症状を引き起こすこともある。
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翻訳・編集=安藤清香

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