欧州

2024.05.12 11:00

ロシア軍部隊、頼みの防衛手段は「散弾銃」ドローンに追い回される中

ロシア軍が編み出した別の即席の解決策は、自動小銃「AK-74」の銃身の端にアダプターを取り付けてブドウ弾1発を発射するというものだ。考案者によると、この手法では30m離れたところを飛行するFPVを撃ち落とせる可能性が高いという。

「責任のある仕事」

ウクライナはドローンから兵士を守るために、トルコの軍需企業ハットサンから散弾銃「エスコートBTS12」を4000丁入手したと報じられている。BTS12は機関部が後方に配置されているブルパップの設計で、これもセミオートの軍用スタイルの武器だ。低価格だが信頼できる散弾銃として定評があるようだ。

武器の供給だけでは解決策にはならない。ウクライナ軍はドローンを撃ち落とすための効果的な散弾銃の使い方の訓練を実施している。

ウクライナの雑誌フォーカスのレポートでは、適切な大きさの散弾銃と、適切な照準器を選択することの重要性が指摘されている。射撃はすばやく直感的に行わなければならないため、複雑で超精密な照準器は助けになるどころか妨げになる(ドローン対策の散弾銃の弾薬には、ケブラーのテザーで弾が投げ縄のように連結されたものがあるが、これはまだ実戦配備されていないようだ)。

インタビューに応じたウクライナ軍の兵士は、ドローンの撃墜は常に監視を必要とする片手間ではできない任務だと指摘する。

ウクライナ国防省の情報機関アーミーインフォームのサイトに4月に掲載された記事には、狩猟経験の長い職業軍人の教官による講習の様子が紹介されている。この教官によると、散弾銃の訓練を受ける兵士らはまず狩猟経験者から、次に射撃技術が優れている者から選ばれたという。だが教官はこの任務には真の勇気も必要だと指摘する。

「みんなが隠れているときにドローンを撃ち落とすのはとても責任のある仕事だ」と教官。「人格者でなければならない」とも語る。

教官によると、動きの速い標的を撃つ練習とは別に、安全面も重要だという。特に、射撃手は仕留めた獲物を拾いたい誘惑に負けてはいけない。
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翻訳=溝口慈子

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