アジア

2024.05.12 09:00

アジア経済に広がる「バフェット効果」 日本株に続く狙い目は?

米投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット(Paul Morigi/Getty Images for Fortune/Time Inc)

韓国がバフェットのような投資界の「クジラ」をもっと多く引き寄せるには改革が必要だ。同じことはインドについても言える。現在、インドが世界から投資マネーを誘致するのは1年前よりも難しくなっている。2023年には、それは容易すぎると言っていいほど容易だった。インドの代表的な株価指数であるニフティ50は20%、S&P BSEセンセックス株価指数は19%上昇した。
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これに関してはインド側の功績を認めてよい点もある。株価上昇の一部はモディの親ビジネス政策と、中国を上回る7.5%という高い経済成長を反映している。しかしインド市場に流入したマネーの多くは実のところ、値崩れを起こした中国市場からの退避先として流れ込んだものだった。中国本土の株式市場は2021年のピークから2024年1月までに時価総額を7兆ドル(約1090兆円)失っている

中国の株価暴落で大きな恩恵に浴したのが日本やインド、あるいは台湾だった。だが上海や深センに上場する企業はここへきて再び投資家に選ばれるようになっており、日本やインド、台湾は世界から投資を集めるためにこれまで以上に努力しなくてはならない。モディは経済開放、規制改革、不平等の是正、そしてバフェットの期待に応える取り組みにもっと力を入れる必要がある。

日本も同じだ。日本の政策当局者が当初、2024年について予想していたことはほぼすべて覆されている。中国経済は期待されたほど回復していないし、米連邦準備制度理事会(FRB)は以前のシナリオどおりには利下げをしそうにない。世界のインフレは当局が見込んでいたような一過性ものではなくなっている。日本の景気回復は弱く、数カ月前の楽観論は後退しつつある。
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日銀は金利の正常化を急ぐと思われていたが、そうしていない。賃金の伸びが物価の上昇に追いつかないなか、岸田文雄首相の支持率は20%台半ばに低迷している。うまくいっているのは株価で、日経平均は年初来14.5%上昇している。

バフェットは株主との対話で、バークシャーは日本株の80億ドルの利益をさらに増やすべく、日本への追加投資を行う用意があることも明らかにした。このような投資家の存在が、日本だけでなく世界各国の企業の経営陣に根本的な変化を促していることは、繰り返しになるが過小評価すべきではない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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