超新星の痕跡
JWSTを用いた今回の観測は、GRBの検出から約半年後に実施された。「このGRBは非常に明るいため、爆発後の最初の数週間から数カ月間は、GRBが邪魔をして潜在的な超新星の痕跡が見えなくなっていた」と、ブランチャードは説明する。「この間は、GRBのいわゆる残光のせいで、直進してくる車のヘッドライトがまぶしくて車自体が見えなくなるのと似たような状況だった」科学者らは、残光が著しく暗くなり、超新星を観測する機会が得られるまで待たなければならなかった。だが、カルシウムや酸素などの超新星に特徴的な元素は検出されたが、超新星自体は明るいものではなかった。「超高エネルギーで明るいGRBを引き起こしたのと同じ恒星の崩壊なら、超高エネルギーで明るい超新星を引き起こしても不思議はないと思われるかもしれない」と、ブランチャードは指摘する。「しかし、そうではないことが明らかになっている。今回の場合、GRBは極めて明るいのに、超新星は普通なのだ」
このイベントでは、ガンマ線を検出するように設計された衛星でこれまでに記録された最高レベルのエネルギーを持つ光子がいくつか生成された。「宇宙全体で起きているこの種の爆発現象を検出できる技術がある時代に生きることができて幸せだ」と、ブランチャードは話している。
(forbes.com 原文)