発生原因は? どこからやってくるのか?
まずは海外からの宿泊者の荷物や衣類について、ホテル・旅館などの宿泊施設に運ばれることになります。外国人の方だけではありません。日本人でも海外旅行や出張で戻った時に宿泊をすれば同じことになります。そしてその繁殖した部屋に泊まった別の人がまた運ぶことで広がっていくので注意が必要です。もともと外に生息しているものが室内に入ってくるのではなく、人を介して侵入するのです。
荷物や衣類について持ち込まれるトコジラミをホテルや旅館が対策できるはずもありません。これだけ国際化した世の中になるともう防ぎようがありません。世界中の人々が集まるニューヨークでも被害が深刻だというニュースを見たことがあります。どうやらセアカゴケグモやヒアリなどと同様に日本で繁殖する気満々のようです。
観光で人が集中するハワイや沖縄も、東京・大阪・名古屋・京都・福岡も例外ではいられないでしょう。気温の低い北海道にもいます。
けれども2020年、ちょっと予想外の事態になりました。新型コロナウイルスの影響から海外への出国・入国に制限が設けられました。それまで好調だった訪日外国人(インバウンド)客がほぼいなくなり、宿泊業・観光業が大ダメージを負ったことは皆さんもご存知かと思います。
人の移動が無くなる分、トコジラミの移動も抑えられ、例年より被害は減っていました。
しかし、新型コロナウイルス騒動が収まり、海外渡航者の増え方に比例して、トコジラミ被害も増えてくるのは間違いありません。
2023年9月、トコジラミが公共交通機関や映画館、病院などで大量発生して、フランス政府が駆除に乗り出しました。
韓国のソウルでも増えて来ているようです。
ホテルでの対策──荷物はバスタブの中に?
トコジラミが日本で増えてくると、今までは気にしていなかった普通のビジネスホテルや旅館での宿泊時も、予防や対策をしなければならなくなるでしょう。
ビジネスホテルなら荷物をカーペットに直接置かないとか、用心深い人はバスタブの中に荷物を保管したり、大きなポリ袋にまとめて入れておく人もいるようです。
トコジラミは明るさを嫌うので、室内のライトを最大限明るくして、アイマスクをして睡眠をとる方法もあります。しかし飢餓状態ではなりふり構わず襲ってくることもありますので、確実ではありません。