ヘルスケア

2024.04.14 14:00

「長女」にばかり大きなプレッシャーがかかってしまう理由

さらに、親孝行と義務をめぐる文化的期待が、長女の義務感をさらに重いものとする。ある研究によると、権威主義的親孝行(AFP, authoritarian filial piety、子どもが親に対して絶対的な服従と尊敬を示すことを要求する、親孝行の一形態)は、包括的な幸福感、学業への動機付け、道徳的行動などの、青少年の発達のさまざまな側面に大きな影響を与える。たとえば、AFPは、報復への恐れや親からの承認を得たいという欲求などの外的要因を通じて、学習意欲に影響を与える可能性がある。AFPは最初は学習成績の向上につながるが、この外発的動機づけは持続可能ではなく、ストレスや燃え尽き症候群につながる可能性がある。同様に、AFPは、罰や社会規範への恐れを通じて道徳的行動を形成し、道徳的な無関心や非倫理的な行動の正当化につながる可能性がある。

このような社会的圧力は、長女の自律性を制限し、個人的な目標の追求を妨げ、長女の中に不満や恨みの感情を抱かせる。

家族と距離を置くことが現実的でない高圧的な状況では「自己の客観視(デセンタリング)」が、長女症候群に結びつくストレスを和らげる現実的なアプローチをもたらず。「自己の客観視」とは、主観的な視点と感情から離れ、経験のより客観的な理解に移行する心理学的技術である。「自己の客観視」は、関係を完全に断つことなく、困難な状況から感情的に距離を置くことを可能にする。より広い視点を採用し、直接的な感情以外の要因を考慮することで「自己の客観視」は、ある程度の関係を維持しつつ、関係のストレスの多い側面から心理的に距離を置き、緩和することに役立つのだ。信頼できる愛する人やメンタルヘルスの専門家は、あなたが「自己の客観視」を行うことを助け、愛と搾取が時には気づかないうちに共存することがあることを理解できるようにしてくれる。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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