2024.03.29 14:15

「ベントレーはエシカルでサスティナブルなライフスタイルブランド」ベントレーモーターズ ジャパン新代表が語る、これからのベントレー


「また私のキャリアの面からは、かつてフェラーリではハイエンドな顧客に向けて、そしてBMWではもう少し幅広いお客様たちに向けてのブランド・マネジメントということを経験させていただき、今後は経営という部分でも経験を積んでいきたいと考えていたところだったんです。そこに今回の、ベントレーのブランドダイレクターというお話がありました。憧れのブランドで、自分が培った経験を活かして経営というマネジメントにも挑戦できるということで挑戦することを決めました。いまはとてもワクワクしています」(遠藤)

日本におけるビジネスを任される立場でもある、ブランドダイレクター。販売におけるプランニング、顧客とのコミュニケーション、そしてディーラーネットワークとの体制の強化といったところを見ていくという。着任して1カ月たらずで顧客やマーケットとの関係については分析を済ませ、今後ブランドが進むべき方向の目処は立っており、取り組んでいくべきことのポイントも見えてきたと語る。そのひとつであるブランディングという面では、体験を通じて「ベントレーがエシカルなブランドである」ことを強調していきたい、と遠藤はいう。

この日、10台限定という特別仕様車「ベンテイガ アズール ニンバス コレクション」をプレゼンテーションした遠藤は、ベントレーブランドの性格をこのように表現した。

「日本にはプレミアムやラグジュアリーのオートモーティブブランドがたくさんありますが、ベントレーはパワートレインとラグジュアリーの要素が究極の融合を果たしたユニークなブランドです。特にサステナブルやエシカルが今叫ばれているなかで、ベントレーのユニークな魅力をラグジュアリーのライフスタイルブランドとしてたくさんの方に楽しんでいただきたいと思っています」(遠藤)

「ベンテイガ アズール ニンバス コレクション」。ベントレー正規輸入開始から60周年のアニバーサルイヤーを記念して作られた日本限定10台の特別仕様車。ベントレーのビスポーク部門であるマリナーが手掛けたもの。雨雲(Nimbus)からインスパイヤされた「クラウドグレー」のシックな色味とブラック仕上げのグリルは、クワイエットラグジュアリーを体現。インテリアには手の込んだオディッシアンスタイルの刺繍を施し、ベントレーのクラフツマンシップを感じさせる一台だ。

「ベンテイガ アズール ニンバス コレクション」。ベントレー正規輸入開始から60周年のアニバーサルイヤーを記念して作られた日本限定10台の特別仕様車。ベントレーのビスポーク部門であるマリナーが手掛けたもの。雨雲(Nimbus)からインスパイヤされた「クラウドグレー」のシックな色味とブラック仕上げのグリルは、クワイエットラグジュアリーを体現。インテリアには手の込んだオディッシアンスタイルの刺繍を施し、ベントレーのクラフツマンシップを感じさせる一台だ。


続けて遠藤はベントレーのマーケティングとビジネスの方向性について語り、顧客との接点となる大きな4つの要素を挙げた。「ウェルビーイング」、「リアルエステート」、「トラベル」そして「フードと食」さらにアートや音楽。これらそれぞれの要素をさまざまな形でクライアントに伝えていくのが遠藤の狙いだ。

また遠藤はベントレーの「エシカル」な側面にも触れる。たとえばある特別仕様車は、英国産の天然ウールをインテリアの素材として使用し、塗料のラッカー使用料を90%以上削減して環境に配慮したモデルであること。さらに本社工場では多くのエネルギーを太陽光発電で賄っている事、排水の再利用、工場内での車両移動においてもCO2排出量を極力削減していること。また電動化にも力を入れており、サステナブルを意識した開発を今後も行っていくことなど、次々に例を挙げていく。

「ベントレーというメーカー、車がサステナブルでエシカルなライフスタイルブランドであることを理解していただくには、体験にまさるものはないと考えています。そのためには、例えば“目的を持った旅”というものがアイデアとしてあります。自然豊かな土地までベントレーで移動して農場で作物を育て、採取したものを調理するための料理を学び、オーガニックな食物の連鎖をご自身で体験していただく。長距離のドライブのなかでベントレーというクルマを体験していただきながら、全体の体験が地球環境について考えるものになる。これはひとつの例ですが、リアルエステート、トラベル、ウェルビーイング、そして食という要素をパッケージした体験から、ベントレーというブランドについて理解していただけるよう務めてまいります」(遠藤)

ベントレーの優雅なインテリアと力強いパワートレインがもたらすドライビング感覚を「ベントレーの豊かさは、車内に身を置き運転したときにはじめてわかる」と遠藤。ベントレーが地球環境への配慮や社会に対しての責任に向き合い、取り組んでいるブランドである、そのストーリーを今後も伝えていくという。

日本のマーケットにおいてラグジュアリービジネスがサスティナブルをどう扱っていくのかは今後興味深いテーマだ。これからのベントレーの取り組みに注目したい。

編集・文/青山鼓

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