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2024.04.01 09:15

誰でも「創造する人」になれる4ステップ

新たな発想をするための方法論 ステップ4

「新たな発想を得る」方法のステップ4は、「知ったことを結び付ける」です。ステップ1から3を日常の習慣とする事で、これまで注目してこなかった分野や事柄が注目領域に入ってくると思います。

勿論、多くの事象を知る事はとても重要な事で、新たな発想の種になる事は間違いありません。イノベーション論で知られるヨーゼフ・シュンペーターは組み合わせた事のないもの同志を組み合わせることを「新結合」と呼び、この「新結合」がイノベーションに不可欠だとしました。

このステップ4の「知ったことを結び付ける」という事は、この「新結合」を産み出すことにほかなりません。ステップ4の「知ったことを結び付ける」を実行するときに留意しておくとより効果的に実行でき、新たな発想へ繋がりやすくなるポイントがあるので紹介します。

「知ったことを結び付ける」際に気を付けておくべき点の一つ目は、「基本を理解して応用につなげる」という事です。時々刻々と世界中で起こっている事象が飛び込んでくる時代になっています。その事象がバラバラなままでは総合的な理解に至らないのは分かると思います。

例えば、量子コンピュータに関するニュースが飛び込んできた時に、その事象や現象の連環を理解するためには、ある程度の基礎となっている物理現象の理解をしておく必要があります。基礎を理解しておくことで応用が柔軟になる事も大切な要素です。

日常わたしたちが扱う料理とか調理においても同様のアプローチが可能です。料理における絶妙な組み合わせの原理がわかれば、異なる食材を用いて、同レベルの料理を創造する事が可能だったりします。

料理の例での「新結合」で言えば、小豆から作る和菓子に用いられる餡と西洋から持ち込まれたパンを結合させたアンパンなどは「新結合」と言えるでしょう。つまり、それほど「新結合」は難易度の高いものではなく、既に存在しているものに新たな視点を加える事で実現できるものなのです。

ステップ4の「知ったことを結び付ける」際に気を付けておくべき点の2つ目は、「因果関係と相関関係を間違わない」という事です。因果関係とはある事象がある事象の原因になっていることを言います。相関関係は例えば、あるふたつの事象において、ひとつの事象の結果が増加した時に、もうひとつの事象が増減するといった関係を持つことをいいます。

この因果関係、特に新しく起こり始めた因果関係を見つける事は新たな発想を得る為の重要な行動指針になります。例えば、コミックを読む読者がかつては紙ベースのコミックを読んでいたのが、スマートフォンが普及するようになってから携帯電話のコミックアプリケーションで読むことが主流になりました。そして、スマートフォンを縦持ちで使う事が多い事からコミックコンテンツも紙ベースの本を想定した横開きのフォーマットから、スマートフォンで縦長画面内で上下スクロールさせながら読むコミックが提案されたといった事があります。

次回のコラムでは、シニア社会にいち早く突入する日本において、「シニア人口ボーナス」状態になる事を奇貨とし、次代の産業を起こすことをお話しします。シニア人口比率がここまで高くなるのは人類の歴史でも初めての事であり、そこに数多くの新たな「新結合」が発見され、次代の産業へと発展していくはずであり、そうしなくてはならないと考えます。

文=茶谷公之

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