欧州

2024.03.19 09:30

ロシア人義勇兵、ロシア領内で進撃 「選挙圧勝」プーチンのメンツ潰し狙う

米首都ワシントンにあるシンクタンク、戦争研究所(ISW)は「ロシアはウクライナとの国境を限定的な侵攻から守るのに徴集兵を用いている」と指摘。「ウクライナの前線から部隊を引き離したくないからだろう」と推測している。

ロシア側は、訓練の不十分な小規模の現地部隊がどうにかロシア人義勇兵部隊を抑え込んでくれることに賭けているようだ。義勇兵部隊はそれぞれ数百人と小規模であり、ウクライナ軍とは別個に行動しているため遠距離の兵站支援もない。ウクライナ国防省情報総局とつながりがあるものの、緩やかな連携にとどまっている。

ロシア側の賭けが成功するかどうかは現時点では見通せない。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)の17日の戦況評価によれば、現地のロシア軍はコジンカの北で義勇軍部隊の前進を阻んだ。一方で、義勇軍部隊はコジンカの西のゴリコフスキー村に進撃している

ロシア側と同様に、ウクライナ側もこの越境作戦に多くのリソースを費やしていない。反プーチンのロシア人義勇兵部隊の戦果は、彼らが自ら主導し、ウクライナ政府から最小限の支援しか受けずに成し遂げているものである。

とはいえ、今回の侵攻の深さと持続性は、ウクライナ情報総局にとっても驚きだったようだ。キリロ・ブダノウ情報総局長は16日、地元メディアのウクラインシカ・プラウダの取材に、ロシア人義勇兵部隊が「面目躍如を果たしているのは疑いない」とし、「われわれもできる限りの支援をするつもりだ」と語っている。

情報総局は、志願兵部隊の攻撃作戦に対し、軍が航空支援を行う方向で調整にあたっている可能性がある。17日には、コジンカと国境を接するウクライナ北東部スミ州で、ウクライナ軍のMi-24攻撃ヘリコプターがロシア軍の防空システムによって撃墜されたもようだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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