ゼレンスキー大統領は12月、毎月数万台のドローンを生産する計画を発表し、ドローン専門部隊の新設を明らかにした。ロシアによる侵攻は3年目を迎えており、ウクライナはファイアーストームの新たなプロダクトをテストするための絶好の試験場になる可能性がある。
そのプロダクトとは、xCell(エックスセル)と呼ばれるコンテナほどの大きさのドローン工場だ。この工場は、特定の任務に特化したドローンを1日以内に製造したり、旧式のドローンを作戦に適合するように改造し、最前線に送り込むことを可能にする。同社は、ドローンのフレームを3Dプリンターで製作し、ソフトウェアやエンジン、ペイロードをすばやく装備している。
「従来のように数週間かかるプロセスではなく、数時間から数日で修正を加えることができる」と、ファイアーストームのもう1人の共同創業者でCEOのDan Magy(ダン・マギー)は話す。同社は最近、サンディエゴに大規模な工場を新設し、毎月500台以上のドローンを生産する計画だ。ファイアーストームは、未来の戦場では月に1万台のドローンが使用されるようになると予測している。
同社は、ロッキード・マーチン・ベンチャーズを含む投資家から累計1250万ドル(約18億円)を調達している。ファイアーストームは、この資金を使って、xCellと1日以内に3Dプリント可能なドローン2機種の生産を拡大する計画だ。
同社にとって最大の課題は、ドローンの製造台数を拡大することだ。ウクライナ軍を支援するキーウ本拠のベンチャーキャピタル「D3」のマネージングパートナーであるEveline Buchatskiy(エヴェリン・ブカツキー)は「大量生産が可能で競争力のある3Dプリント技術をまだ見たことがない」と話す。しかし、ロシア軍がドローン工場を狙った攻撃を行う中、生産施設を分散させることは有益かもしれないと彼女は指摘する。小規模な3Dプリントのステーションを点在させることで、ロシア軍の攻撃によって生産設備がすべて破壊される可能性を軽減できるからだ。