宇宙

2024.03.18 13:30

火星でエベレストより高い巨大火山「ノクティス」発見

火星のノクティス・ラビリントス地域で新たに発見された巨大火山「ノクティス山」の噴火口付近を捉えた画像。中央やや右にカルデラ跡を確認できる。そのさらに右側の画面の端近くでは氷河の跡が見つかっていた。ESAのマーズ・エクスプレス探査機が撮影(ESA/DLR/FU Berlin)

火星のノクティス・ラビリントス地域で新たに発見された巨大火山「ノクティス山」の噴火口付近を捉えた画像。中央やや右にカルデラ跡を確認できる。そのさらに右側の画面の端近くでは氷河の跡が見つかっていた。ESAのマーズ・エクスプレス探査機が撮影(ESA/DLR/FU Berlin)

火星で巨大な盾状火山を発見したとの研究結果が発表された。火山は激しく浸食され「周囲の風景に溶け込んで」いたという。

「ノクティス山」と暫定的に命名されたこの火山は、標高が9022mに達する。ハワイ島を形成する5つの火山の1つ、マウナロアの麓(海底)からの高さとほぼ同じだ。エベレストより高いノクティス山だが、火星では7番目に高い火山にとどまる。1番はオリンポス山の高さ2万1950mで、これは太陽系でも最大だ。

火星の赤道のすぐ南で発見されたノクティス山は、米航空宇宙局(NASA)が生命の痕跡を探すための次の火星探査車を送り込むのに理想的な場所かもしれない。

これまで確認されていなかった理由は、激しく浸食されているからだ。実のところ、ノクティスは数十年前から何度も写真に撮られている。

火星最大規模の火山地帯と峡谷地帯の間にあるノクティス山の位置を示した地形図(Background image: NASA Mars Global Surveyor (MGS) Mars Orbiter Laser Altimeter (MOLA) digital elevation model. Geologic interpretation & annotations by Pascal Lee and Sourabh Shubham 2024)

火星最大規模の火山地帯と峡谷地帯の間にあるノクティス山の位置を示した地形図(Background image: NASA Mars Global Surveyor (MGS) Mars Orbiter Laser Altimeter (MOLA) digital elevation model. Geologic interpretation & annotations by Pascal Lee and Sourabh Shubham 2024)

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翻訳=河原稔

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