鳴海:岸本知事からは、和歌山の特産品を「プレミア和歌山」としてリブランディングをするお考えがあると聞いています。
岸本:「プレミア和歌山」として和歌山の特産品に付加価値をつけることをやってきたんですけど、長年やっているとどんどん商品が増えてきて数えきれないぐらいになってしまい、希少価値がないんですね。
人の手が入った製造品に限り、かつ、1社1商品と数をものすごく絞って、本当のプレミアムなものに限っていこうということを考えています。
コシノ:そこのプレミアムにするセンスっていうのかな。誰がそのセンスをつくるのか。コンセプトはいいんだけど、もう少し成長させて、洗練された流通にしていかないと。
鳴海:まさにそこをお聞きしたいです。例えば、プレミア和歌山ばっかり集めて並べても、誰もワクワクしないというか、洗練された感じがない。
岸本:これまでは量が多すぎて、物産展のようになっていました。
コシノ:今は、物が欲しいという時代ではないです。消費者はイメージが欲しい。イメージに感動する。イメージにお金を払う。洗練されたイメージが重要です。
岸本:そのイメージ作りのためにアドバイザリーボードの方やチームの仲間の知恵を結集していきたいなと思っています。
コシノ:それを世界のエキシビジョンに出して、もっと挑戦しないとね。和歌山の中だけでなくて、それを世界に持って行って、また持って帰ってきて流通させて。本当に美味しかったら、世界に堂々と出せると思うし。どんどん前向きに挑戦してみないと始まらないんじゃない。
離れても戻って来られる。「和歌山が最高だと思える」場所に
鳴海:知事は選挙の時から、和歌山が最高だと子どもたちが思う未来を作るとおっしゃっていますが、そのために今必要なことは。
岸本:私の公約が「和歌山が最高!だと子どもたちが思う未来を!」というキャッチコピーだったんですね。それはどういうことか。
子どもたちは、大人を見ています。やっぱり和歌山の大人がかっこよく幸せでいないと。大人が背中を丸めて悲しそうな顔をしていたら、子どもたちは「なんだここは」と思ってしまう。和歌山の大人が胸を張って「和歌山っていいとこやで」と言って、明るく楽しく元気に働けるようにするのが1番大事だと思っています。かっこいい大人をどれだけ増やしていけるかということじゃないでしょうか。
鳴海:和歌山県の課題として、若い子が日本でもっとも県外流出してしまって、戻ってこない。出っぱなしだったら、和歌山ってもう立ち行かなくなるじゃないですか。どうしたら良いのでしょうか。
コシノ:親元を離れてやっと親の味がわかるように、離れてもいいと思うんですよ。外から見て、日本の良さがわかり、地元の良さがわかる。そこにずっといると本当にいいものも分からないと思うから、出るのはいいけれど、外に出て「やっぱりいいな」と思ってもらえるものを和歌山に残していかなきゃなんですよね。
岸本:全くその通りだと思います。出るには出てもいいと思うし、そこで戻って来られるような教育や環境づくりを我々がしていく。私自身が46歳で地元に戻った人間ですが、やっぱり戻ってよかったと思います。
コシノ:和歌山の人たちが、和歌山の自慢ができるようになるといいですね。