宇宙

2024.02.26 17:00

暗い夜が戻り、日没後すぐの三角形の輝き「黄道光」が見れる 今週の夜空

惑星間のちりに太陽光が反射してできる黄道光(Getty Images)

週末の「スノームーン」が欠けるにつれ、夜空が少しずつ暗くなっていく。今週は、西の空にまだ木星が見え、月はおとめ座で最も明るい恒星であるスピカと出会う。暗い場所を見つけられる人は、黄道光を探してみよう。少しでも人口光のあるところでは難しい。光害が増え続ける中、こうした宇宙の不思議を楽しめる場所を見つけることが益々難しくなっている。

今週の星空観賞と天文について知っておくべきことのすべてを以下に述べる。

2月28日水曜日:水星と土星が太陽の方向へ

この日から翌日にかけて、水星と土星がともに地球から見て太陽の方向に位置し、まぶしさの中に消える。28日に水星は外合に、29日に土星は合になる。

2月29日木曜日:月とスピカ、うるう日

28日深夜から29日明け方にかけて南を見ると、月がおとめ座で最も明るい星であるスピカと大接近するところが見える。

この日は4年に1度しかやってこない。2月29日があるのは2024年がうるう年だからだ。地球が太陽を公転する周期が1年より4分の1日だけ長いことを修正するために、4年に1度必要になる。

3月4日月曜日:下弦の月とアンタレス

この日の朝、日の出の1時間前に南を見ると、半分照らされた下弦の月の近くにアンタレスが見える。さそり座の赤色巨星だ。

下弦の月は、望遠鏡で月面をクローズアップで見るのにも最適なタイミングだ。鋭い影が月面の地形に投げかけられているのが見えるだろう。

今週の天体:黄道光

今週は地味ではあるがすばらしい光景を見る理想的なタイミングだ。ただし、そのためには北半球の本当に暗い場所に行く必要がある。

日没から約1時間後に西の空を見ると、太陽が沈んだ場所のすぐ上に、三角形の輝きが見える。「false dusk(偽の夕暮れ)」として知られるこの黄道光(こうどうこう)という現象は、太陽系に残された宇宙のちりに太陽光が反射して起きる。ちりは通過した小惑星や彗星のものもあれば、惑星が形成されたときの残骸もある。もしかしたら火星から惑星間空間に送り出されたものかもしれない。

星空観賞のヒント:光害

都会に住んでいる人なら、星を見るのがますます難しくなっていることを知っているだろう。昨年発表された画期的研究によると、2011年から2022年の間に、夜空が欧州で6.5%、北米で10.4%明るくなったことがわかった。「都市部で星を見ることが難しくなる速さは驚くべきものです」とドイツ地球科学研究所(GFZ)の研究者で論文の主著者であるクリストファー・カイバはいう。「このスピードで開発が進めば、250個の星が見える場所で生まれた子どもは、18歳の誕生日には100個しか星を見ることができなくなるでしょう」

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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