宇宙

2024.02.22 16:30

4年に1度の「うるう年」が誕生した歴史と2100年はそうでない理由

地球は365日と5時間48分45秒かけて太陽を公転している。うるう年がある理由はそこにある(Getty Images)

地球は365日と5時間48分45秒かけて太陽を公転している。うるう年がある理由はそこにある(Getty Images)

来週、2024年のカレンダーには特別な日が追加されている。うるう日だ。前回のうるう年を覚えているだろうか。それは2020年、世界中をパンデミックが支配していたときだ。4年が過ぎ、再びまた幸運な「うるう日」、2月29日がやってくる。

世界中で約500万人の「leapling(うるう日生まれの人)」たちが、4年に一度の誕生日を2月29日に祝うとBBCは伝えている。うるう日のための特別なバースデーカードの売り上げが急増するときだ。

この特別な日は、なぜうるう日やうるう年が存在するのか、なぜうるう年かと思った年がそうでないことがあるのかを考えてみる良い機会だ。

うるう年が存在する理由

4年に1度うるう年が存在するのは、グレゴリオ暦を実際の季節と一致させるためだ。その理由は地球が太陽を公転する周期にある。1回の公転周期は正確には365日5時間48分45秒であるため、この「約4分の1日」が積み重なって4年に1回特別な1日がカレンダーに加わる。2月は28日しかないので、そこに追加の1日が加えられる。2月29日は、専門的にはうるう日(閏日、intercalary day)と呼ぶ。

今世紀に入ってからのうるう年は2020年、2016年、2012年、2008年、2004年および2000年だった。今年以降は2028年、2032年、2036年、2040年と続く。規則は実に簡単だ。年が4で割り切れれば、その年はうるう年になる。しかし問題がある。2100年はうるう年ではない。なぜか?

ユリウス暦からグレゴリオ暦へ

残念なことに「5時間48分45秒」はもちろん「6時間」ではない。11分15秒の差がある。16世紀にローマ時代のユリウス暦が現在のグレゴリオ暦に変更された理由はそこにある。

「紀元前46年、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は新たにユリウス暦を提唱し、4年に1度、1年で最も短い月(2月)に特別な1日を加えることで、予測可能な4分の1日のずれの修正を行おうとしました」と、ウォーリック大学宇宙物理学グループの研究者であるジェームズ・マコーマック博士はいう。「しかし、これはわずかに過剰な修正でした。太陽年は正確に365.25年ではなく、わずかに短い365.2422太陽日であるため、ユリウス暦と太陽年は再び1年に11.2分間ズレていきました」

13日のズレ

ユリウス暦が地球の太陽公転周期を単純化しすぎた結果、1500年代終わりごろまでに13日間のズレが蓄積された。このため、ローマ教皇グレゴリウス13世は1582年、グレゴリオ暦を採用した。

グレゴリオ暦では4年に1度、うるう日を加えるだけでなく、4世紀ごとにうるう日を3回スキップする。これにより現在のところある年が4で割りきれればうるう年だが、もし100でも割りきれ、かつ400で割り切れない場合はうるう年ではないとスミソニアン博物館は説明している。それが2000年はうるう年だったのに、1700年、1800年、1900年、2100年がそうではない理由だ。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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