JPB財団が環境問題への寄付に踏み切ったとき、特別な目標があった。「エネルギー効率に取り組むことにしたが、低所得者が多い地域に専念したかった」とバーバラは2017年のインタビューで語った。こうして2022年に、全国民にクリーンで手ごろな価格の暖房や電力、水を提供するために活動している非営利団体エレベートエナジーに520万ドル(約8億円)が寄付された。
現在名誉会長であるバーバラの後任として、JPB財団の会長にこのほど就任した活動家で作家でもあるディーパック・バルガバによると、同財団は今年、新たな重点分野を追加する。11月に米国大統領選を控え、より強固な民主主義が必要だと指摘するバルガバは「バーバラの並々ならぬ活動を礎にして、民主主義の強化という極めて重要な分野に注力する」と語る。目標は、最も弱い立場にある人々が選挙に参加し、関心を寄せる問題について発言できるようにすることだ。「たとえ意見の相違があったとしても、長期的には、この国で市民の総意を再構築したいと考えている」とも語る。「民主主義のための戦いは、まさに現代の戦いだ」
この目的のために、JPB財団は最近、eBay創業者ピエール・オミダイアと妻パムの民主主義基金や投資家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団など約60の財団とともに、4月までに民主化推進団体への寄付を強化するよう寄付者や財団に呼びかける「オール・バイ・エイプリル」に加わった。目的は、11月に自由で公正な選挙が実施されるよう、なるべく早く民主化推進団体に資金を提供することだ。
その一環として、JPB財団は寄付額を昨年の4億2500万ドル(約638億円)から今年は5億ドル(約751億円)に引き上げ、増額分の大部分を民主化推進団体に提供する。「歴史上、極めて重要な時だ」とバルガバ。「この事態に対応するために、さらに寄付を増やしている」という。
(forbes.com 原文)