もう1ついうなら、遅かれ早かれ、設定した境界線が破られる事態が起きるはずだ。その時は声を上げ、境界線を破った相手に、何が問題なのか、どうしてほしいのかを伝えよう。最初のうちは抵抗感があるかもしれないが、境界線が破られたまさにその時に、自分の境界線を改めて確認するほうが、後になって指摘するよりも効果的だ。
ステップ5:「ノー」をいう練習をする
「ノー」というのにためらいを感じるとしても、問題はない。練習すれば、きっと身につくはずだ。まずは、あまり緊迫していない状況で「ノー」というトレーニングをするといいだろう。例えば、商品を売り込んできた屋台の売り子に「いりません」という。あるいは、友人主催のパーティーに出席できない旨を伝えるといったことだ。
あるいは、自分で想定シナリオを設定して、自宅で練習することもできる。直接的に「ノー」という単語を使わずに、職場で断りを入れる言い方について、以下にいくつか例を挙げるので、参考にしてみてほしい。
・「そのカンファレンスにはぜひ出席したいのですが、その週は娘の誕生日があり、お祝いの席に不在というわけにはいかないのです」
・「残念ながら、ご指定の日はすべて予定が入っています。ミーティング開催の候補として、別の枠を挙げていただけないでしょうか?」
・「声をかけていただいて大変ありがたいのですが、新しい案件に取り組むよりも、いま取り組んでいる2つのプロジェクトを優先するようにと、上司から指示を受けているのです」
職場での境界線設定は、長期的なウェルビーイングやキャリアの成功にとって不可欠だ。これを無視すると、自分が持つ力が損なわれてしまう。反対に、境界線をきっちりと示せば、職場の人たちに対して「自分にはこう接してほしい」ことを周知できるだろう。
(forbes.com 原文)