創造性と知性の証、「皮肉」には人を引きつける力がある 取り扱い注意だが

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皮肉(sarcasm)の定義は1つではないが、ほとんどの場合、それは本心とはまったく反対のことを伝える言語的アイロニーだと表現される。辛辣なウィットと嘲笑的なエッジを効かせた皮肉は、人間同士の対話に独特の影響力を持つ。しばしば単なる冷笑(cynicism)や否定(negativity)だと誤解されがちだが、皮肉には人を引きつけるまぎれもない魅力がある。

『NeuroImage』に掲載されたある研究によると、皮肉を認識することは健全な脳のシグナルであり、また皮肉は人と関わる上で欠かすことのできない万能なコミュニケーションツールとなることが立証されている。だが、皮肉の解釈は文脈に大きく左右されるという研究もあり、それが誤解に繋がることもよくある。

メンタルヘルスの専門家は通常、人間関係やその他の場面でユーモアの一種として皮肉を使うことには注意を促しているが、それは皮肉が両義的で往々にして消極的な攻撃の性質を持つからだ。しかしながら、皮肉は恋愛でも魅力的な性質があるようだ。

ここでは、皮肉が魅惑的な3つの理由を研究に基づいて紹介しよう。

1. 皮肉は創造性と知性の証

多くの人は、パートナーの知性を魅力だと感じる。皮肉を攻撃的というより愛すべきやり方で巧みに使うには、それなりの知性が求められる。

相手への気遣いや気持ちを踏まえた上で、特にデリケートな状況下で高度に戦略的かつ攻撃性の少ない使い方をする人は、高いレベルの共感能力を有している可能性が研究で示唆されている。

たとえば、非常に繊細な部下に厳しいがどうしても批判を伝えなければならない場合もあるだろう。直接的で単刀直入なアプローチでは彼らを孤立させてしまい、口を閉ざさせてしまうこともあるだろう。しかし、皮肉交じりのユーモアを交えることで、部下の緊張した姿勢を和らげるだけでなく、健全な言葉のぶつかり合いに耐えられる面の皮の厚さを身につけさせることができる。

皮肉はまた、知性の魅力的な証である創造性も利用する。2015年に「Journal of Organizational Behavior and Human Decision Processes」に掲載された研究によると、人が信頼できる人に皮肉を使うと、表現者と受け手の両方の創造性が高まることがわかった。言い換えれば、2人が知的・感情的に安心している信頼関係の中では、皮肉は対立よりも創造性の源泉になるのだ。
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翻訳=酒匂寛

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