3. 社内に味方を見つける
有害な上司と対峙する際に最悪なのは、職場で孤立してしまうことだ。そうではなく、会社の組織内で、より多くの人に自分を知ってもらえるように努めよう。あなたの働きぶりを知る人が多いほど、より上のレベルの社員のなかで、支援してくれる人を見つけられる確率が高まる。ほかにも、この件で意気投合した同僚が、信頼できる友人やメンターになってくれることもあるだろう。社内におけるこのような人間関係は、長期的に見て、部署の異動や職種の変更、あるいは昇進といった動きにつながる可能性がある。これは、社内に仲間を作る最大のメリットと言えるだろう。
4. 「境界線」を設定し、それを守る
他人の行動をコントロールすることはできないが、自分の反応を変えることはできる。劣悪な状況にくじけてしまってはいけない。自分の職務に集中するとともに、健全な境界線を設定しよう。例えば、勤務時間外の夜にはメールをチェックしない、あるいは、出張には事前通知が必要なことを上司にわかってもらう、といったことだ。
境界線を設定したら、それを明確に、繰り返し周囲に伝えよう。ただし、時が経つとともに、この境界線を押し返す動きが起きることは避けられない。そうなった場合は、騒ぎ立てることなく、自分の領域を主張しよう。譲歩は禁物だ。
5. セルフケアを心がける
求人情報サイト「FlexJobs(フレックスジョブズ)」が行なった「職場での有害行動調査」によると、有害な上司によって不安感が増すことを経験した人の割合は、回答者の半数以上に達している。ストレスレベルが上がった時に、普段以上に重要になるのがセルフケアだ。職場の緊張に耐えきれず、心が折れてしまうことがないようにしよう。勤務時間中は、定期的に休憩を取るようにして、心の健康を保つよう努めるといいだろう。加えて、正気を保つために必要だと感じたら、休みを取ろう。
そして何より大切なのは、ポジティブな精神的姿勢を育むよう努めることだ。必要であれば、メンターやコーチ、セラピストの助けを借りるのも良いだろう。先入観を持たない外部からの視点を提供してくれる専門家の助けが得られれば、力になるはずだ。
健全な職場環境を整え、維持することは、雇用主の最も重要な責任のひとつだ。しかし残念なことに、有害な上司は、いまだに多くの職場に存在している。こうした人に人生を滅茶苦茶にされるのを防ぎつつ、自分でコントロールできることに集中しよう。
そして、ここに挙げた5つの戦略を実行してみたが、それでも不健全な環境が変わらない、と感じるなら、ためらいなく外に目を向けよう。あなたには、「生き残るだけで必死にならざるを得ない会社」ではなく、「自分の能力を存分に発揮できる会社」で働く資格があるのだから。
(forbes.com 原文)