教育

2024.01.31

幼稚園から大学まで一貫して「女子のほうが成績優秀」、英研究で確認

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幼稚園から大学までのすべての教育段階で、女子のほうが男子よりも成績が優れていることが、英ケンブリッジ大学の新たな研究で明らかになった。男子は大学を卒業する時点までに学力で女子に遅れをとるだけでなく、そもそも正式な教育を受け始める当初から不利だという懸念が強まりそうだ。

高校での男女の学力差はかねて懸念されていたが、英国内のデータに基づく今回の研究結果は、すべての教育段階で格差が確認された数少ない成果だ。

唯一、男子のほうが女子よりも一貫して成績が高かった科目は数学だったが、それも最高レベルの学習到達度に限られ、それより下のレベルの到達度では女子のほうが概して上だった。

研究を率いたケンブリッジ大学出版局・検定機構のマシュー・キャロルは「データの解析から浮かび上がった最も顕著なパターンは、男女間の学力差が教育の最初の段階から最後の段階まで存在することだった」と述べている。

男女間の学力差は英国で4〜5歳を対象とした教育「早期基礎段階(EYFS)」ですでに認められた。すべての学習分野で、期待を満たしたと教員に評価された子どもの割合は女子のほうが男子よりも平均8〜14%幅高かった。このギャップは調査対象の7年間を通じておおむね変わらなかった。

教員から期待を上回ったという評価を受けた子どもの割合も、男子がやや多かった数学(算数)と、ほぼ同じだった「世界の理解」を例外に、女子のほうが男子よりも有意に高かった。

このパターンは10〜11歳の教育評価でも繰り返され、男女の成績がほぼ同じだった数学を除き、ほぼすべての分野で女子の成績が男子を上回った。

通常16歳で受験する「中等教育修了資格(GCSE)」レベルの試験でも、ほぼすべての科目で女子が男子より優秀だった。数学や経済、物理、古代史など一部の科目では男子の成績が上回ったものの、その幅はほかの科目で女子が男子を上回った幅よりも小さかった。

通常18歳で受験する「一般教育終了資格(GCE)上級」(通称Aレベル、大学受験資格に相当)の試験でも同様だった。この試験ではコンピュータや物理といった男性優位とされる科目ですら、女子が男子よりも優れた成績を収めていた。これらの科目を履修する女子は比較的少ないので、履修した女子は成績もとくに良かったと考えられる。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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