短期間の投資回収を狙わない
HATCoは、VCマネーを使ってスマ・ヘルスを買収する意向だが、ハリソンによると、従来のように比較的短期間での投資回収を狙っていないという。HATCoは、ゼネラル・カタリストが運用するVCファンドの仕組みの枠外で運営されている。「スマ・ヘルスは永続的に保有するつもりで、エグジット計画はない。また、デブニーを含むスマ・ヘルスの現経営陣は留任する予定だ」と彼は述べた。この買収における次のステップは、デューデリジェンスの実施と最終契約の締結となる。その後、オハイオ州司法長官事務所とオハイオ州保険局による審査が行われる。また、買収価額が1億1140万ドルを超える場合、連邦取引委員会か司法省に報告しなければならないため、連邦政府による審査を通過する必要もある。営利企業への移行の一環として、スマ・ヘルスは売却益の一部を使って、住宅や食糧難などの分野で地域社会を支援する財団を設立しなければならない。
デブニーは、ゼネラル・カタリストの投資先企業や他のテクノロジー企業と協力して、医師や看護師を支援するのに最適な人工知能(AI)アシスタントを見つけたい意向だ。彼は、コールセンターと患者エンゲージメントソフトウェアの向上にも多くの可能性を見出している。テクノロジーを活用して医師がより簡単に治療を提供し、患者がより簡単に治療にアクセスできるようにすることが彼の目標だ。
ハリソンによると、約8500人の医療従事者を含むスマ・ヘルスの従業員はこうした変化によって悪影響を受けることはないという。「これは成長計画であり、縮小計画ではない。従って、レイオフは想定していない。むしろ、テクノロジーを活用しながらも、あらゆる分野で雇用を増やせることを期待している」
(forbes.com 原文)