このAgeTechエリアで米国のElli-Q は高齢者向けの会話型生成AIを紹介していた。大規模言語モデル(LLM)技術を利用することにより、高齢者とのスムースな会話を促進し、孤独の軽減や社会的なつながりの促進、高齢者の健康や独立性の向上に寄与していくことを目的としている。
高齢者が語りかけると、会話中に左側のランプが優しく光り、コミュニケーションをとっていることを示す。スマホのディスプレイだけだと高齢者には無機質に見えてしまうので、このようなランプ型インターフェイスを採用しているという。日本の場合だとこのようなユースケースでは、ヒト型や動物型などのインターフェイスにするところ、少し無機質なランプと会話させるところは、様々な宗教の方が共存する米国においては必要なユーザーインターフェイスの工夫なのだろう。
CES 2024は、今まで以上に「サステナビリティー」「人間の安全保障」そして、それを支えるテクノロジーとしての「AI」が際立った展示会だった。もちろん、今回紹介できてない楽しい・ワクワクするエンターテインメント要素たっぷりのプロダクトも多くあったのだが、当記事では昨今の世界情勢を鑑みて、どうしたら一人ひとり/各社ごとに喫緊の社会課題に対して向き合っていくべきか? 考えていくべき展示にフォーカスを当てて紹介した。
「万人のための人間の安全保障(Human Security for All / HS4A)」というCES/CTAが国連と協調する指針にどう向きあうべきか? パナソニックが示した素材の革新、新たな家電の概念など、今後のテクノロジー企業がどうあるべきか? 数多くの「問い」も提示されたCES 2024だったと考える。来年以降CESに参加する方は、ぜひ世界150カ国以上、4000社以上集まる展示企業から未来への「問い」の姿勢を感じて、観てほしい。当記事からも未来に対しての「問い」が少しでも生まれていれば幸いである。