テクノロジー

2024.01.23 16:00

【CES 2024】未来への『問い』が提示された今年の見どころは

2050年には世界人口の40%以上が水問題に直面すると予測されている現在、安心安全な水にオフグリッドでアクセスできるソリューションは地球レベルで必要になる。日本のスタートアップWOTAも今年出展をしていたのだが、能登半島地震の影響で避難している方、断水に見舞われている地域の方に向けてWOTAシステムを導入することに注力しており、最小限のメンバーでブース対応していた。被災地で実際に使われるソリューションを出展しているWOTAが、来年以降のCESでも大きく注目されることを期待してやまない。

日本の水リサイクル・ソリューションを有するWOTA。CES 2024イノベーションアワードを受賞

日本の水リサイクル・ソリューションを有するWOTA。CES 2024イノベーションアワードを受賞

ヒューマンセキュリティー/インクルージョン

世界各地で起きている紛争や弾圧により国連が掲げる「人間の安全保障(Human Security)」の必要性は高まっている。CES主催CTAは2年前から国連の「万人のための人間の安全保障(Human Security for All / HS4A)」キャンペーンに参加し、テクノロジーを軸に人間の安全保障をどのように行うべきか?参加企業、参加者に問いかける。

具体的には、食料問題、医療/ヘルスケアへのアクセシビリティ、環境問題、政治の自由、テクノロジーへのアクセシビリティーなどが挙げられる。CTAの姿勢としては、テクノロジーは全人類に届くポジティブな変化を可能にすると考えている。

CES主催CTA代表ゲイリー・シャピロが基調講演で「万人のための人間の安全保障」について紹介

CES主催CTA代表ゲイリー・シャピロが基調講演で「万人のための人間の安全保障」について紹介

まず医療分野へのアクセシビリティについて。

韓国のスタートアップSMARTSOUNDはSkeeper という手のひらサイズのリモート聴診器による遠隔医療の可能性を紹介していた。体内から発生する音を通じて健康管理を行うAIソリューションを有しているので、聴診器として心臓音、肺の音、妊婦さんのお腹の音から母子の健康管理を行うことができる。このデータを医師に送ることにより遠隔診療が可能になるのだ。今まで自分の体内で発せられている音は医師が聴診器で聞き診断するだけで終わっていた。ただ、このリモート聴診器は自分の音を録音して残すことができる。なので、セカンドオピニオンに持っていくことも可能だ。遠隔医療だけではなく、自分に適切な診察をしてくれる医師にアクセスしやすくなるのもテクノロジーのおかげと言えるだろう。

手のひらサイズの聴診器(写真水色の円形デバイス)で遠隔医療を可能にする

手のひらサイズの聴診器(写真水色の円形デバイス)で遠隔医療を可能にする

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