テクノロジー

2023.12.13 13:30

創業3年で評価額は10億ドル!今、最も旬なユニコーンの素顔

次の戦場は、テック業界の最新トレンドであるAI以外にない。ウィズは先日、ある顧客が33テラバイトの訓練データを世界にさらしていたことを発見したとラパポートは語る。ウィズは、顧客のクラウド設定に関する質問に答えたり、インシデント対応の手引きをしたりする独自のAIツールを開発中だ。AI需要の急増は「クラウドセキュリティ事業者各社に豊富な糧をもたらします」と、ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブスは指摘する。

「飢える企業はないでしょう」
 
つまり、早ければ来年にも実施される可能性があるIPOに向けて経営を引き締めようとしているとはいえ、ウィズがペースを落とすのはまだ先になるということだ。同社は最初の買収先を探しつつ、CFOの採用も考えている。

「変な感じです。新聞社やベンチャー投資会社がしばしば出版物で展開するような理論と、私がやっていることは正反対なのですから」
 
そうラパポートは認める。しかし、適切なチームと適切な資金とニーズに合致する適切な製品があるのなら、彼は自分にこう言い聞かせるのだ。

「行け、行け、行け!」


Wiz◎2020年、イスラエルのテルアビブで創業。ラパポートらIDF8200部隊出身者が共同創業者となって始めたクラウドセキュリティ会社。早々にフォックスやモルガン・スタンレー、LVMHといった企業を顧客として獲得。創業3年で9億ドルを調達し、企業価値100億ドルを達成。「クラウド100社」では15位にランクイン。

アサフ・ラパポート◎1983年、イスラエル・テルアビブ生まれ。兵役の際にエリート情報部門として知られる8200部隊に配属され、さらに精鋭の81部隊に所属する。退役後はマッキンゼーを経て、8200部隊時代の仲間と起業。立ち上げたアダロムをマイクロソフトに売却。マイクロソフトで5年過ごした後、ウィズを創業。

文=アレックス・コンラッド 写真=グエリン・ブラスク 翻訳=木村理恵 編集=森 裕子

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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