日本はすでに、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国の主要7カ国(G7)にそのような計画を提案している。岸田首相は最近のG7の会合で、7カ国のすべてあるいは数カ国が共同で、アフリカと中南米でレアアースの採掘・精製を行う体制を模索し、資金を注入することを提案した。
日本がそうした取り組みを主導するのは当然だ。中国はすでに2回、日本へのレアアースの輸出を停止した。1回目は数年前、両国が領有権を主張する東シナ海の無人島をめぐって緊張が高まったときだ。さらに直近では、先端半導体の中国への輸出を規制するという米国の措置に日本が加わったため、中国は再びレアアースの輸出を禁止した。これまでのところ、欧米諸国は日本の提案を拒否してはいないものの、反応は薄い。だが、中国の動きが経済に大きな影響を及ぼすようになれば、欧米諸国はほぼ間違いなく日本の考え方やそれに近いものに賛同するだろう。
中国は、輸出禁止をちらつかせる手法をあまり取らない方がいいだろう。結局のところ、中国は今以上に輸出を失うことはできないのだ。中国の輸出はすでに減少しており、経済は不穏なペースで減速している。
さらに、大幅な輸出禁止は欧米を日本の計画や類似するものへと向かわせ、中国の現在の支配的な地位を揺るがし始めるだろう。米国、欧州諸国、そして日本は、中国の影響力が及ばない場所で採掘・精製を行うことで、中国の支配を終わらせようと、直ちに措置を講じることが予想される。仮に中国が通常通りのレアアース輸出を再開したとしても、代替の供給源があれば中国は高圧的な手段に出ようとしなくなるだろう。
(forbes.com 原文)