米ロサンゼルスで7日(日本時間8日)開かれた今年のゲーム賞「The Game Awards」(TGA)授賞式では、『バルダーズ・ゲート3』が最高賞のゲーム・オブ・ザ・イヤー(GOTY)など6部門、『Alan Wake 2』が最優秀ゲームディレクションなど3部門で受賞するなど、さまざまなタイトルに多くの賞が贈られた。ただ式典自体は、同賞が浴びてきた批判を自ら体現したセルフパロディとなってしまった。
TGAの司会者で創設者のジェフ・キーリーは、同賞を今は亡きゲーム見本市「E3」とゲーム版アカデミー賞を融合させたものにしようとしてきた。ゲーム企業各社は同賞をぜひとも受賞したいと望んでいるし、多くのゲーマーもどの作品が受賞するかに注目しているのは確かだが、今回の授賞式では、ここ数年みられていた悪化傾向がピークに達した。
非主要部門を冷遇
授賞式で最もひどかったのは、キーリーが10以上の「小さな」部門の受賞作品を、カメラに向かって早口でまくし立てるように発表したことだ。最優秀RPG、最優秀レーシング/スポーツゲーム、最優秀マルチプレイヤーゲーム、最優秀アートディレクションなどが、あっという間に過ぎていった。これらの「非主要」賞は、受賞作品にとって重要な功績であるにもかかわらず、それが認められたのは一瞬だけで、関係者は誰も受賞スピーチができなかった。これは冷淡な扱いであり、少なくとも「授賞式」を自称するイベントらしからないものだ。
受賞スピーチの時間制限
一方「真の」賞の受賞者であっても、受賞スピーチは30~45秒の時間制限が設けられた。昨年、優れた声優の演技に贈られるベストパフォーマンス賞を受賞したクリストファー・ジャッジが8分にもおよぶスピーチをしたことを考えると、これは厳しい時間制限に思える。このため、『バルダーズ・ゲート3』の「アスタリオン」役で今年の同じ賞を受賞したニール・ニューボーンが心のこもったスピーチをせかされたり、『Alan Wake 2』の開発者サム・レイクが早々に退場させられたりと、侮辱的ともいえる滑稽なシーンが繰り広げられた。
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