OGシーズンは何度も繰り返せるようなものではないが、次にやってくるのは、それよりさらに興味深いものかもしれない。それは、7日に配信が始まった『レゴ フォートナイト』だ。名前だけ聞くと、これまで『フォートナイト』で数え切れないほど行われてきた、映画やドラマ、他のゲーム、有名人やブランドとのコラボのようにも思えるかもしれないが、実際にはまったく違うものだ。
『レゴ フォートナイト』は、単にレゴをテーマとしたバトルロイヤルゲームでもなければ、レゴのブロックやミニフィグを使ったクリエイティブモードでもない。これは、『フォートナイト』をサバイバルジャンルにアレンジした、まったく別のゲームだ。クラフトや木の伐採、採掘、ブロックを使った建物づくりができる。ここまで言えば、おわかりだろう。
そう、『レゴ フォートナイト』は、マイクロソフトの大人気ゲーム『マインクラフト』に正面から挑むものだ。マインクラフトの販売本数は、『Grand Theft Auto V』(GTA5)の1億9000万本をも超え、ゲーム史上最多の3億本となっている(ただし、価格はGTA5よりはるかに安い)。2014年にマイクロソフトが24億ドル(現在の為替レートで約3400億円)で『マインクラフト』の開発元Mojang(モヤン)を買収したのは、ゲーム業界史に残る賢い戦略と言えるだろう。『マインクラフト』は社会現象となり、若い世代の多くにとって、子ども時代の重要な一部となっている。
これほどの巨大タイトルに挑戦するのは賢明ではないようにも思えるが、もし対抗できるものがあるとすれば、『フォートナイト』と『レゴ』のパートナーシップだろう。Epic Games(エピックゲームズ)が運営する『フォートナイト』は、ここ10年間を代表する人気ゲームの1つ、一方のレゴは史上最も人気のある玩具ブランドの1つだ。両者をうまく融合させ、『マインクラフト』に競合するゲームを作れれば、エピックがかねて約束してきたメタバース構築をついに始動させる上で必要な勢いを生み出せるかもしれない(『レゴ フォートナイト』の配信開始と並行し、『フォートナイト』内の隣接する「ユニバース」として、レースゲームと音楽ゲームも配信される)。
『フォートナイト』はここ数年、若干マンネリに陥っているように感じられていた。だがその間、エピックが「新時代」の準備を進めていたことは明らかだ。この「新時代」という表現は、今では誇張には思えない。『フォートナイト』のゲームプレイ、レゴのブランド力、マインクラフトのレガシー(遺産)、そして何千人もの影響力のあるコンテンツクリエイターの注目をうまく利用し、このゲームを成功させることができればとてつもないサクセスストーリーになるだろう。失敗すればとてつもない時間の無駄になるが、私はそうはならないと思う。
(forbes.com 原文)