国内

2023.12.05 11:00

軽井沢から福井まで活発化、45兆円の日本ウェルネス市場

Global Wellness Institute(GWI)で挨拶するCAホールディングス相馬順子代表取締役(永平寺四季の森にて)

北陸新幹線沿線はウェルネス意識が高い

鈴木:北陸新幹線沿線のウェルネスツーリズムはどのようになるとお考えでしょうか。
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相馬:北陸新幹線沿線をウェルネス視点で見ると、まず長寿県である長野県の存在が大きいと思います。長野県は都道府県別平均寿命(2020年に厚生労働省が発表した生命表)で、女性が全国4位、男性は2位です。また長野県は、平均標高が1132m(2位は山梨県の995m)と日本一であること。標高1000mの気圧は、人間の胎児の気圧と一緒であり、人間にとってとてもコンディションの良い気圧であると医学的にも言われており、それが長寿の要因の一つと言われております。

長野県の軽井沢町では、「ウェルネスリゾート」を前面に出したウェルネスツーリズムが活発ですし、小諸市でも「ウェルネスシティー小諸」を掲げ、自分らしくいられるまち、自分に還れるまちを目指してます。また富山県は「ウエルビーング」に力を入れておりますし、福井県では、大本山永平寺があることから、禅のウェルネスツーリズムが活発です。

ウェルネスは富裕層誘客に重要

日本にはそもそもウェルネスの文化や歴史が多く存在し、それを求める国内外の富裕層トラベラーが多いです。ウェルネスは、もともと日本にはとてもなじんでいる文化なので、今後は従来の富裕層に加え、Z世代も含めウェルネスツーリズムは大きくなっていくと確信しています。

富裕層から始まったウェルネスの文化は、どんどん裾野を広げて市場に浸透しており、これからは、日本が世界のウェルネスの環境や教育を牽引していくと思っております。今回福井県永平寺四季の森で日本初の開催となるウェルネスの国際会議が開催された事、また2024年3月16日の北陸新幹線の福井延伸する事により、沿線エリアを周遊するウェルネスツーリズムが活発になることは間違いないでしょう。

■プロフィール

・グローバル・ウェルネス・インスティテュート シニア・リサーチャー:オフェリア・ヤン氏

SRI(スタンフォード・リサーチ・インスティテュート)時代から、世界中の企業、政府、大学、非営利団体の研究およびコンサルティング業務をウェルネス業界に焦点をあて20 年以上主導してきた。現在、Global Wellness Institute (GWI) のシニア・リサーチャーとして、世界のウェルネス産業の規模を算出、その規模と範囲を定義するための新しい枠組みを作成。最新レポートとして「グローバル・ウェルネス・エコノミー:新型コロナウイルスの先を見据えて」を発表。
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・クリーブランド・クリニック:マイケル・ローゼン医師

クリーブランド・クリニックのチーフ・ウェルネス・オフィサーであるマイケル・ローゼン医師はウェルネスプログラムの専門家。脳を元気にして、生きる希望やエネルギーをとりもどす研究を行っている。多くの著書を出版。現在名実ともに、この分野におけるトップドクターの一人。

・CAホールディングス代表取締役:相馬順子氏
Global Wellness Summit Board Member

1990年にThe Boston Consulting Group(ボストン・コンサルテイング・グループ)当時のアジア統括本部・香港オフィスにコンサルタントとして入社。1994年に独立。コンセプトアジアを香港で共同設立し、世界各地に著名ブランドスパを次々にオープン。2006年には米国のスパファインダー社と合弁でスパ情報サイト“スパファインダージャパン”を設立。スパの啓蒙化に努める。現在はウェルネス事業全般にその領域を広げ、温泉の再開発やウェルネス関連製品/施設の企画・運営、またウェルネス関連ビジネスへの投資に携わっている。

連載:『人生100年時代 豊かな生活をおくる次世代ライフスタイル学』
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