アジア

2023.11.27

中国からさらに外国企業の資金が流出、経済回復の足かせに

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すでに窮地に陥っている中国経済が、また新たな問題に直面している。外国企業が近代化と拡大の計画を見直し、利益を自国やアジアの他国、さらに遠くの国へ送り始めている。ここには随分前に中国に進出した企業も含まれる。こうした傾向の要因は直接的なもの、より根本的なものなどさまざまだが、しばらく前から進行していた。だが、要因がどのようなものであれ、こうした傾向により中国経済の回復は一層難しいものとなっている。

外国企業の資金の流出はここ1年以上にわたって加速している。中国国家統計局の入手可能な直近のデータによると、9月までの1年半の間に外国企業は計1600億ドル(約24兆円)もの利益を中国外に送った。夏の四半期だけ見ても資金の流出が流入を上回った。これは長い間見られなかった事態であり、額にして118億ドル(約1兆7640億円)が流出した。こうした巨額の資金流出が、今年に入ってからこれまでに人民元が米ドルに対し約5%安くなった要因であることはほぼ間違いない。

確かに、この動きの一部は一時的な要因を反映している。個人消費と設備投資を促進するために中国人民銀行(PBOC)が金利を引き下げた一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)はインフレ対策の一環として金利を引き上げた。英中央銀行やカナダ中央銀行、オーストラリア準備銀行(中央銀行)も金利を引き上げている。経営者らは当然、内部留保をより永続的なものに回す前に内部留保から最大の利益を得ようと、最も金利が高い国に資金を送った。

これだけであれば、最近の資金流出は金融情勢が変われば元に戻る、必然的にそうなると簡単に片づけられるだろう。だが、もっと根本的で持続的な影響も資金の流れを変えている。中国の景気の減速はその方程式に組み込まれている。

中国統計局によると、中国の成長にとって依然として重要な輸出は減少し、産業活動も鈍化。最近では全面的な後退も示唆している。中国恒大集団(エバーグランデ)や碧桂園(カントリーガーデン)といった不動産開発企業の経営危機により、長年にわたって経済成長を支えてきた住宅建設の効果もなくなった。
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翻訳=溝口慈子

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