中国で事業を展開する外国企業にとってさらに厄介なのは、中国と西側諸国との貿易・外交関係がますます緊張していることだろう。米政府は中国への特定の技術の販売を禁止し、中国のテック系ベンチャーに投資することも禁じている。対抗措置として中国は、西側諸国や日本への不可欠な原料の輸出を禁止している。このような友好的ではない政策は、たとえあからさまな衝突には程遠いとしても、不確実性とリスクを高め、ビジネスを行う場所としての中国の魅力を減少させている。
外国企業が抱える懸念に拍車をかけているのが、台湾に対してますます好戦的になっている中国の姿勢と、中国で事業を行う外国企業に対する監視の強化だ。ここ数カ月だけでも、中国当局は米コンサル会社ベイン・アンド・カンパニーと、米信用調査会社ミンツ・グループの事務所を家宅捜索した。ミンツの従業員数人を拘束し、罰金も科した。中国で、そして中国との貿易で起きている他のすべてのことに加え、これらの暗に示された脅威は、欧米や日本の企業にとって今のうちに撤退を検討する大きな理由となっている。このような状況では間違いなく、中国での事業拡大はためらわれる。
外国企業の資金の流出は、かつて目覚ましかった成長を呼び戻そうとする習近平国家主席の取り組みに立ちはだかるハードルをさらに引き上げている。仮に成長路線に戻すことに成功するとしても、資金の流出以外にもさまざまな要因が中国経済を圧迫しており、実現するにはかなりの時間を要するだろう。
(forbes.com 原文)