個人投資家の非上場株式市場へのアクセス拡大が意味するもの
世界経済フォーラムは、同白書で、個人投資家の非上場株式市場へのアクセス拡大がどのようなものになり得るかというビジョンを示しました。これには、個人に加えて、さらに重視されるファイナンシャル・アドバイザーの新たなニーズを満たすために、目的に合った教育を再構築することが含まれます。投資家のアクセス手段(雇用時の積み立てや退職金制度、オンライン証券プラットフォームまたはアプリ、ファイナンシャル・アドバイザーを通じた投資または直接投資)の改善も重要です。さらに、個人投資家のニーズに合わせた革新的な商品の必要性や、流動性の管理と流通市場の整備を改善する方法も示しています。
同白書では、需要サイド、供給サイド、市場に分けて、それぞれ個人投資家へのアクセスを責任ある方法で拡大するために取り組むべき検討事項がまとめられています。
必要な次の一手は
世界経済フォーラムのレポート「Broadening Access to Private Markets(非上場株式市場へのアクセスの拡大)」では、アクセス拡大に向けて前進するための以下のような行動を呼びかけています。すべてのステークホルダーに対して:
・主要なステークホルダー(最重要:ファイナンシャル・アドバイザーや投資家自身を含む)に対する教育・啓発活動を再考する。
企業(富裕層向け資産管理会社、証券会社、フィンテック企業、インフラ・プロバイダー、ファンド・マネージャー、プライベート・エクイティなど)に対して:
・個人投資家の流動性、投資ホライズン(投資期間)、リターンのニーズに合わせて商品を調整する。
・業界コンソーシアムを形成し、標準化を加速させる。
・投資家ジャーニーを簡素化する。
・技術革新への投資と探求を行う。
政策立案者と規制当局に対して:
・個人投資家の流入口にある制限を見直し、主要なアクセスポイントを拡大する。
・投資家保護に留意しつつ、個人投資家の参加拡大を目指した政策手段を構築する。
・マネージド・ソリューション(年金基金など)を通じた非上場市場へのエクスポージャーの制約緩和について評価を行う。
官民連携:
・用語、書式、報告、プロセスを標準化する。
・責任あるデータ共有をサポートする。
同白書は、アクセンチュア、ラザード、アポロ、アクサ、モーティブ・パートナーズ、BMOフィナンシャル・グループ、カルタ、ムーンフェアが共同で作成しました。
その他協力企業:ブロードリッジ、BNYメロン、ドイツ銀行、エドワード・ジョーンズ、グレースケール・インベストメンツ、J.P.モルガン、ジュリアス・ベア、ニューヨーク証券取引所、パートナーズ・グループ、ロビンフッドなど
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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