ニューヨークでもいろんな議論があって、ちゃんと話されていると思うんです。でも日本は、もちろん世界情勢やAIの話題もあるけど、どちらかというとビジネスに直接関係のある円安がかなりリアルに話されています。
今の3つのトピックに関してはおっしゃるとおりで、このまま行くと日本は本当にマズイことになるでしょうね。どう対策するかという話もあまりないから問題だなと。そして、たしかに日本は外国人がすごく増えていると感じます。
レイ:7月と8月に日本に行きましたが、その前に行った4月に比べて、外国人観光客の増え方がすごかったです。
中道:観光で来てもらうのは当然いいと思うけど、このままいくと日本はすごく安い国になってしまいます。一番気になるのは労働人口です。人口が減っている日本では、それを補うためにアジア諸国から仕事に来てもらっています。
昔はクリエイティブの人たちには、東京に行きたいというマインドがあったと思うんです。だけどこれからは、東京は給料が安いからと来てくれなくなるのではないか。このまま円安で低賃金が続くと、日本企業が世界で戦っていく力が、さらに拍車をかけて弱くなっていくのではないか。これが一番の心配です。
レイ:中道さんの場合は海外とのやり取りが多いのですか?
中道:多いですね。うちの会社は日本と世界をどうつなぐかというのがベースで、日本企業をグローバルブランドにすることと、世界企業の日本支社が世の中できちんとプレゼンスを高めることが2大テーマです。
先日、世界の企業の人たちを東京に招いてディスカッションやワークショップをしたのですが、世界の企業と日本企業との差を感じました。
レイ:僕がここ2、3年感じているのは、中高生以下のお子さんに海外経験をさせようという人が増えてきたなということです。日本人の留学は2004年をピークに、そのあとは下がり続けていて、今はピーク時の半分ぐらいになっているらしいです。
でも、最近になって、日本人もこれからは世界に対して心の準備と、言語などの基本的な準備ができていないと生き残れないのではないかという危機感を持つ人が増えていて、子どもを留学させたり、海外に移住したりと、具体的に動き始めているようです。特にここ1~2年は、サマースクールで子どもを海外に行かせることから始めているという話をよく聞きます。