レイ:これも未来につながる話ですけど、最近アメリカの統計を見ていると、大学で男性が女性に遅れを取り始めていて。著しいのがトップ1割の大学で、女子学生が3分の2で、男子学生は3分の1になっているんです。逆に最下位から1割の大学では、男女比がその逆。昔はトップ1割の大学は男子学生の方が多かったんですけどね。社会に出てからも女性の方が稼ぐようになってきました。
これはこれでいいことですが、大学に行けずに落ちこぼれる男性が増えていて、それが社会に悪影響を及ぼすのではないかと懸念されています。僕は男の子と女の子の父親ですが、どういう教育をさせていこうかと悩んでいます。アメリカで起きていることは5年後とか10年後に日本でも起こりうるんですよね。
中道:そもそも女性の方が間違いなく優秀ですからね。少し前に日本の大学受験で男子の枠が女子の枠より多く設定されていたことが問題になっていましたが、枠を決めなかったら全員女子になるからじゃないのと言われていました。でも、それが実際にアメリカの大学で起こっているんですね。
レイ:今までは社会的に女性は上から押さえつけられていましたけど、20年、30年でだいぶ平等な社会になってきたからでしょう。日本はアメリカに比べるとダイバーシティが全然ありませんよね。
日本の場合は日本人がメインで、「日本人」というのも、今までは人種として見ていたところがあると思うんです。だけど、いわゆる僕らと同じ肌の色ではないけれど、日本で生まれ育った「日本人」も少ないながらもだんだん出てきています。それもすごくいい課題になると思うんですよね。
中道:日本はダイバーシティやいろいろな思考のクロスオーバーが課題です。アメリカで起きていることが、近い将来日本でも起こるなら、違う形で進化するといいなと思いますけど、どうやってそれに対応するかというのは、もっとイメージを持って話をしなくてはいけないと思います。アメリカと日本では国の成り立ちが違いますからね。日本のダイバーシティの中で、どうやってコミュニケーションしてお互いに理解し合うのかということは大きな課題です。
レイ:良くも悪くも日本では流行が著しいですよね。一般社会の流行もあれば、企業間の流行もあるし、日本全体の流行もある。ダイバーシティの話をお付き合いのある企業の方と話していて感じるのは、もっと覚悟を持ってやらないといけないということです。他がやっているからうちもやらなきゃでは、結局、広報活動で終わります。ダイバーシティにしてもSDGsにしても、本気で向き合っていく企業が今後強くなっていくと思います。