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2023.11.15 12:30

機械学習と向き合った「iPhone 15のカメラ」 アップル責任者が語るユーザーの反響

アップルのカイアン・ドランス氏にiPhone 15シリーズの反響を聞いた

2倍ズームや簡単ポートレート撮影が人気

iPhone 15が高画質な48MPセンサーを載せたことによるメリットは、iPhoneのデュアルカメラシステムで初めて実現した画質劣化のない「2倍ズーム撮影」にも活きる。例えば手もとに近い場所に置かれた料理などを撮影する際、2倍ズームがあれば被写体とiPhoneの距離が少し離せるので、料理の上にiPhoneの影を落とすことなくきれいに写せる。
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先進のソフトウェアによるコンピュテーショナルフォトグラフィが実現するiPhone 15の新機能の中でも、写真に自然なボケ味と奥行き感が加えられる「ポートレートモード」は多くのiPhoneユーザーから好評を得ているという。

従来機種ではカメラを立ち上げた後にポートレートモードを指定する必要がある。iPhone 15からはフレーム内に人物、またはペットの犬・猫が写っていたり、ユーザーが被写体をタップして意図的にフォーカスを合わせた写真は、撮影の瞬間にiPhoneが深度情報を自動で取り込む。この深度情報を活かして、撮影後からカメラアプリによる編集加工で自然なボケ味が加えられるようになった。

意図してフォーカス合わせを行った写真は、料理などを被写体にしても自動的に被写界深度情報を取り込んだポートレート写真として「写真」アプリに記録される。画面に表示される「ポートレート」のアイコンをタップすると、ボケ味のオン・オフを選んで残せる

意図してフォーカス合わせを行った写真は、料理などを被写体にしても自動的に被写界深度情報を取り込んだポートレート写真として「写真」アプリに記録される。画面に表示される「ポートレート」のアイコンをタップすると、ボケ味のオン・オフを選んで残せる

iPhone 15のカメラによるビデオ撮影もまた、iPhone 11から数多くの点で進化を果たしている。
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浅い被写界深度でビデオを撮って、アーティスティックなボケ味を後処理で加える「シネマティックモード」も人気の機能だが、やはりなんといってもドルビービジョンによるHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)ビデオの撮影がiPhoneで簡単にできるようになったことの価値が大きい。iPhone 15のSuper Retina XDRディスプレイならHDR動画のクオリティを劣化させることなく見られるし、旅行先で撮影したHDR動画をMacBook Proや4Kテレビの大きな画面で楽しめるのがうれしい。

iPhone 15が「軽くなった」理由

iPhone 15とiPhone 11は同じ6.1インチのスマートフォンなのに、iPhone 15の方が質量が23gも軽い。その理由はiPhone 14シリーズを開発する際、内部設計に大きく手を加えて本体の軽量化と放熱設計を見直したからだ。

「アップルはiPhoneのパフォーマンスを高めつつ軽量化を図るため、内部設計の最適化については常に検討を重ねています。開発チームの目線は時に微細な部品の1つ1つの検証にまでおよびます。ディテールにも目を向けて改善を図った結果、iPhone 15は、ほんのわずがですがiPhone 14より軽量化しています」
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編集=安井克至

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