サイドフレームはiPhone 12以降、iPhone 14まで続いたフラットでエッジを立たせたデザインを変えて、エッジをContoured(曲面をつけた)な形状にした。「手に馴染みやすい新デザインが、軽やかな感触を生み出しているのだと思う」と筆者が伝えると、ドランス氏は「開発チームは一見すると軽量化とは無関係に見えるような細部まで、より良いデザインを探求してきました。iPhoneによる体験が心地よくなった一因として、エッジの変化に気づいてもらえたことは励みになります」と答えて、口もとに笑みをこぼした。
機械学習でバッテリーの寿命を長持ちさせる
iPhoneには「内蔵バッテリーの寿命を延ばしてくれる」機能がある。設定アプリの「バッテリー」から「バッテリーの状態と充電」に並ぶ「充電の最適化」がそれだ。デジタルデバイスが内蔵する充電バッテリーは化学的経年劣化が進むにつれて性能が低下する。iPhoneの充電を始めてから、フル充電になったままの状態が長く続けば劣化を招く原因になり得る。そこでiPhoneがバッテリーを80%まで充電して、その後の充電を「賢く遅らせる」のだ。
ユーザーが毎日iPhoneを充電するサイクルをデバイスが学習して、夜間などユーザーがある程度長い時間にiPhoneを充電器に「つなぎっぱなし」にする間だけ最適化のアルゴリズムを働かせる。
iPhone 15には「上限80%」までのリミッターを設けて、それ以上の充電を保留する機能も新たに加わった。ドランス氏によると「この機能はiPhoneのバッテリーをより長持ちさせるため、充電を80%に制限したいというユーザーの声を受けて追加した選択肢」なのだという。この機能にもまた、ユーザーに心地よくiPhoneを使い続けてもらうためにアップルのエンジニアが込めた「細やかな気配り」がある。