働き方

2023.11.06 10:00

「9時から5時まで」の働き方を疑問視するZ世代の主張にある真実

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長時間、そして予測が難しい通勤は燃え尽き症候群を引き起こす可能性がある。車で出勤すれば、自動車は消耗し、何時間も渋滞に巻き込まれる精神的苦痛もある。
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帰宅する頃には疲れて不機嫌でイライラし、消耗している。洗濯をしたり、子どもたちと過ごしたり、また電子メールをいくつか送り、明日の仕事が始まるまでに終わらせなければならないプロジェクトや業務をこなす前にできることといえば、夕食を食べるくらいだ。夜10時ごろには頭が回らなくなり、就寝する。翌日、「回し車」の中を走り続けるハムスターのような時間がまた始まる。

世界保健機関(WHO)と国際労働機関(ILO)のデータによると、長時間労働が原因で、2016年に脳卒中と虚血性心疾患で死亡した人は74万5000人に上り、2000年から29%増えたという。相当な数の脳卒中と心疾患は「週55時間以上」の労働によるものだ。

1日8時間労働は本当に生産的か

1日8時間労働の生産性のレベルをよく観察して分析すると、労働者は忙しそうに見えるが、実際には8時間連続して有意義な仕事をしているわけではないという実態に気づくかもしれない。

企業文化などについて語り合うサイトBlindが今年実施した調査では、技術系労働者の45%近くが、中断することなく優先順位の高い仕事に没頭する「集中作業」に費やす時間は4時間以下だと答えている。精神的な緊張が生産性を低下させるという人もいれば、事務作業や会議、その他の単調な作業など価値の低い業務が生産性を低下させるという人もいる。
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オフィスでの長時間労働は、効率や効果を向上させない。誰もが経験したことがあるだろう。流れに乗って仕事をこなしていると、次々と邪魔が入る。元の状態に戻るのは難しい。このような日々を繰り返すのは時間とエネルギーの膨大な浪費だ。

不要な会議は往々にして、実際に仕事を終わらせる際の障害となる。従業員は会議の準備をしなければならない一方で、集中するのに十分な時間を確保できないまま別の会議に拘束される。これは非生産的で、全員の足を引っ張る。

人にはそれぞれのバイオリズムがある。9時から5時と決めて働くのではなく、個人の生産性のピークに合わせて従業員の勤務時間を調整する方が、企業にとって理に適っているのではないか。「勝利を収める」ために早起きしてすぐに仕事を始めるのが好きな人もいる。また、コーヒーを何杯か飲んでから本調子になる人、静かで穏やかなときに最高の仕事ができる夜型の人もいる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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