採用戦略や職務の見直し
企業側は、さまざまな世代の労働者を受け入れるために、従業員を採用して定着させるための戦略を分析・修正する必要がある。年齢にまつわる固定観念を打破するために、企業側は、世代を超えた対話を促す必要がある。また、シニア労働者の職務には、指導やコーチング、助言といった、結晶性知能を活かしたスキルを組み込む必要がある。
継続して働ける職場づくり
企業側は、仕事の質を維持し柔軟な労働オプションを継続して提供しなければならない。シニア労働者は、職場で同僚とつながれる機会を求めている。例えばコワーキングスペースは、そうした機会を提供することができる。
全従業員の学びを最大化
企業や組織は、あらゆる年代の従業員に対して、学びやキャリア開発を促すべきだ。米国の雇用者は、年月とともに成長していける職務を設計することで、今まで活用されていなかった機会を生かすことができる。企業側は、シニア従業員が若年従業員と同じように、さらなる能力向上を望んでおり、学びを継続する機会を求めていることを忘れてはならない。職務や職責を調整し、流動性知能と結晶性知能の両方を活かせる職務を取り入れることは、年齢を重ねた労働者を引きつけ、維持する上で効果的だ。
ザ・コーヴンのアイヴァーソンは、こう述べている。「米国の組織や企業の大半は、年月とともに成長できる職務を用意することで、これまで眠っていたチャンスを活かすことができる。競争が激しさを増す雇用環境において、高度な知識とスキルを有するシニア従業員を維持するためにできる新たな取り組みとは何だろうか。それを考えることで、小さいながらも意義深い変化を起こすことができる」
筆者はアイヴァーソンに、ザ・コーヴンが今回の調査で目指したことを尋ねた。
「我々が望んでいるのは、より人間的で包摂的な仕事の未来に向けて、新しい対話が始まるよう刺激し、動きに弾みをつけることだ。企業が適切なポリシーを導入し、健全な職場文化を構築して支援すれば、従業員は、働きながら良いかたちで年を取っていくことが可能になる。より長く生きることで、個人としても従業員としても、さらに成長できる機会が手に入る」
「年齢を重ねることは一種の特権だが、その社会的な位置づけは長い間、放置されてきた。仕事の未来に関して勝利を収めるのは、高齢化が進む米国の労働力を再構築する方法を学ぶ雇用主だ。つまり、高齢の労働者を単に受け入れるだけでなく、積極的に適応すべき対象として事前に備え、再構築できるような雇用主なのだ」
(forbes.com 原文)