・従業員は、年齢が上がるにつれて、職場でどう扱われることを望んでいるのか
・複数世代の従業員に共通している要望は何か
・年齢が上がるにつれて、従業員のウェルビーイングと満足度はどう変化するのか
・雇用主がシニア従業員のやる気をかきたて、彼らを従業員として維持するためにできることは何か
調査で判明した主要ポイントは次のとおりだ。
シニア労働者はおそらく、職場において最も不安を覚えている世代だ。同僚やマネージャーから尊重されている、評価されている、理解されていると実感することが、若年の労働者と比較すると少ないのだ。
考え得る最大の原因は「年齢差別を受けている」という思い込みと固定観念だ。これが、異なる世代間のコミュニケーションと結びつきを阻んでいる。
一方で、シニア労働者はおそらく、職場で最も仕事に意義を見いだし、目的意識をもって取り組んでいる世代だ。柔軟な働き方を取り入れれば、こうしたシニア労働者の維持につながる。
異なる世代がともに活躍する労働力には、流動性知能(抽象的な問題を解決する力)と、結晶性知能(人生における学習によって得た知識)の両方が求められる。結晶性知能を向上させられるような職務機会を与えられる雇用主は、シニア労働者に関して良い成果が得られるだろう。
ハーバード・ビジネス・レビューに2023年10月に掲載された記事によると、満足度が高く、生産性の高い職場づくりには、目的意識と柔軟性、帰属意識を育むことが不可欠だ。「自主性が高く、帰属意識と目的意識がある職場文化は、共通のビジョンから生まれる。そしていまのところ、企業とその従業員のビジョンが一致しているケースは少ないといっていいだろう」
またとりわけパンデミック後の女性とリモートワーカーにとって、柔軟性はますます重要となっている。