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2023.10.31

米小売業界には高齢のCEOが多すぎる?

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米百貨店大手メイシーズのCEO、ジェフ・ジェネットが2024年初めに引退すると発表して以来、小売大手のトップの年齢と退任の話題が、取り上げられることが増えている。

ジェネットは、明らかにその年齢にしては若いといえるが、63歳だ。そして、以下に挙げるとおり、同業のその他の企業のCEOたちも、ジェネットと同様に、いわゆる「退職年齢」を過ぎている。

・エドワード・デッカー(60)/ホーム・デポ(ホームセンター)
・ティム・クック(62)/アップル
・アーニー・ハーマン(62)/TJXカンパニーズ(衣料品チェーン)
・ブライアン・コーネル(65)/ターゲット(小売チェーン)
・トム・キングスベリー(70)/コールズ(百貨店)
・クレイグ・ジェリネック(71)/コストコ(会員制卸売小売チェーン)※2024年1月1日付での退任を発表
・ウィリアム・T・ディラード2世(78)/ディラーズ(百貨店)

一方、例えば次の6社のように、より若い年齢のCEOたちが率いるチェーンもある。これらは、イノベーションや斬新なアイデアの採用を進めている企業だ。

・コリー・バリー(44)/ベスト・バイ(家電量販)
・リチャード・ディクソン(52)/Gap(衣料品)
・ローレン・ホバート(55)/ディックス・スポーティング・グッズ(スポーツ用品)
・アンディ・ジャシー(55)/アマゾン
・ダグ・マクミロン(57)/ウォルマート(スーパーマーケット)
・カレン・リンチ(59)/CVSヘルス(ドラッグストア)

「フォーチュン・グローバル500」リストに入る企業のトップに昇り詰めたCEOたちの平均年齢は、57.7歳。多くは体験を通じてビジネスを学び、自らの考えを実行に移してきた人たちだ。経営に関するそれぞれのアプローチは大半が、それぞれの豊富な経験と知識を反映したものとなっている。

経験は「足かせ」にも──?

ボストン コンサルティング グループ(BCG)のシンクタンク、BCGヘンダーソン研究所(BHI)のマーティン・リーブス所長は、ハーバードレビュー誌にほか数人の著者と共同で執筆した記事を寄稿。そのなかで、次のように指摘している。
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編集=木内涼子

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