CEOs

2023.10.31 08:00

米小売業界には高齢のCEOが多すぎる?

安井克至
「……企業のリーダーたちは恐らく、自らの成功を支えてきたメンタルモデルや組織構造に立ち向かうことに消極的だ」

「反対に、彼らより若いプロフェッショナルたちは、それぞれのキャリアに残されている期間がより長いことから、長期的な利益につながる新たな道を追求することに対して、よりオープンだと考えられる。だが、そうした人たちは大抵、組織内に変化をもたらすような立場にない」

小売業界の企業の多くに対する、ひどい批判と受け止めることもできる見解だ。出世の階段を首尾よく上り切り、指導的地位に就いた経営幹部たちが、すべてを現状のまま維持したいと考えている可能性があるといっているようなものだ。「彼らは静かな(あえていわせてもらうなら「快適な」)水面に、さざ波を立てたがらない」ということであるともいえるだろう。

(高齢の幹部たちの)経験は貴重だ。だが、それと同時に、例えば若い顧客の共感を得られるような新しいアイデアを探し求める情熱やエネルギー、新鮮な思考も同じように重要だ。

リーダーたちの顔ぶれが刷新されれば、あらゆる企業が目標とする「より若い顧客を引き付けること」を可能にする新たなアイデアも、取り入れることができるようになるだろう。

高齢のCEOたちは、信頼できる人たちだ。現状の店舗に可能な限りの売り上げを、実現することもできるだろう。だが、彼らの取り組みが若い顧客にとって革新的、あるいは刺激的なものになる可能性が、高いとは決していえない。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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