「健康問題」との認識の欠如
そのほかMiraの調査では、全体の30%が「性ホルモンについて何も学んでいない」と答えた。ホルモンバランスの乱れは、生理不順や体重増加、ニキビの原因となる。また、ホルモンは糖尿病や甲状腺疾患にも関連しているが、女性の37%が、そのホルモンについて学校の授業では習っていないという。Miraの医療顧問で産婦人科医のカーラ・マケリゴットは、性ホルモンは「性と生殖に関する健康(リプロダクティブ・ヘルス)において中心的な役割を果たすもの」だとして、次のように述べている。
「女性たちがこれについて学んでいないことは、不要な不安やフラストレーション、治療の遅れ、予防可能な病気の罹患、不要な受診、健康格差、医療費の増加につながります」
そのほかマケリゴットは、女性たちが「何を異常と考えるべきか」を知らなければ、健康上のリスクを認識できないことになると指摘している。
具体的には、生理不順の女性は、長期的には子宮体がんの発症リスクが高くなることがわかっている。また、経血量が多い女性は貧血のリスクが高く、すぐに治療が必要な場合もある。また、閉経周辺期に起きる変化を知らない女性は、治療を受けず、必要以上に苦しむことになる可能性がある。
求められる学校教育の改善
マケリゴットによると、米疾病対策センター(CDC)が教育者向けに作成している「性教育に関するガイドライン」に含まれるテーマのうち、実際に授業で教えられているものは、高校と中学でそれぞれ50%未満、25%未満にとどまっている。だが、マケリゴットが「さらにひどい」ことだと指摘するのは、そのガイドライン自体が、ホルモンと健康に関する問題にほとんど触れていないことだ。生殖ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が女性のメンタルヘルスや認知機能、骨の健康、体全体にどのような影響を及ぼすかについて十分な知識を持たない人が多いのは、そのためでもあるという。
(forbes.com 原文)