健康

2023.10.29

学校の性教育、米国人の9割が「役立っていない」と回答

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米国では、中学や高校の性教育の授業は気まずいものであるだけでなく、実際に役立つものにもなっていないようだ。米フェムテック企業Mira(ミラ)が18~44歳の米国人1500人を対象に実施した調査では、回答者の90%が、学校の授業は性体験への備えにつながらなかったと答えている。

これは、女性たちが自らの性と生殖に関する健康(リプロダクティブ・ヘルス)について、性教育から十分な知識を得ていないということでもある。女性が性教育の授業で十分に学べなかった分野としては、「生理周期の変化」(38%)、「受胎・妊娠」(34%)、「出産・産後早期」(33%)、「閉経周辺期」(27%)がある(閉経については別の調査でも同様の結果が示されている)。

特に顕著なのが、若い女性の知識不足だ。性教育の授業で「生理周期の変化」に備えられなかったと答えた女性の割合は全体では38%だった一方、Z世代では46%だった。また、Z世代の37%は「妊娠が難しい場合もある」ことを性教育で学べなかったと答えた。

男性たちもまた、同じような状況にある。学校の授業で「予期せぬ妊娠」について十分に学んでいないと答えた男性は24%に上った。「受胎・妊娠」については24%、「性感染症(STD)」については21%、「出産・産後早期」については19%が、授業から十分な知識を得ていないと答えている。

一方、男性たちは「性的快感」について、女性たちよりよく学んでいた。学校の授業で学んだと答えた割合は、男性で51%、女性で32%だった。ただ、セックスが痛みを伴う場合もあることを学んでいた人は、わずか21%だった。パートナーとの合意や相手を尊重することについてまったく教わっていないと答えた人は40%だった。

情報はどのように入手?

性教育の情報源として最も信頼されていたのは医療従事者(42%)と性教育の授業(35%)だったが、特に若い世代ではそれ以外の情報源に頼る人は多かった。Z世代とミレニアル世代が利用している性教育の情報源は、上位からインターネット(48%)、医療従事者(37%)、性教育の授業(33%)、友人(32%)、ポルノ(26%)、SNS(25%)だった。

また、セックスや交際に最も大きな影響をもたらしたものとして「ポルノ」を挙げた人は26%に上り、家族(16%)、医療従事者(21%)、友人(23%)を上回った。
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編集=木内涼子

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