サイエンス

2023.10.27 17:30

結婚生活にある6つの段階 心理学者が解説

結婚の進化における6段階

1. 愛情関係

結婚の初期段階であり、2人とも相手のニーズを満たすことに喜びを見いだしている。互いの欲求は報いられることが見込まれ、その愛と思いやりの認識を強固にする役割を婚姻が果たす。夫婦は、日常生活に気を散らされることなく互いへの理解を深められる。

2. 蜜月の終わり

この段階では、配偶者の片方がもう一方の期待に応えられず、失望と苦痛が生まれて力関係が変化する。パートナーの健康と幸福に対する責任感は互いに持ち続けているが、状況を自分の思いどおりに動かそうとする言動が増加。相手を喜ばせようとする行為は、結婚当初の完全な愛情関係を回復するのが目的となる。もはや愛と思いやりが無条件で示されることはなく、2人の関係性が理想に届かないと互いに相手を批判したり、傷ついたり、失望したりする。

3. 仕返し

失望と憤りは怒りに変わり、報復行為の応酬による主導権争いが起こる。この闘争は、結婚当初の愛情関係を取り戻せないことへの失望感に対する防衛機制として機能する。金銭、セックス、一緒に過ごす時間など、相手が自分の思いどおりにならない問題が言い争いの中心となる。極端な場合、配偶者を傷つける手段として不倫をすることもある。主導権争いは、無条件の愛と受容への期待が満たされなかったことに対する反応であり、夫婦は力関係によって互いをコントロールしようとする。

4. 踏みとどまる

2人とも気持ちが疲弊し、離婚の危機に直面しながら、わかりきった衝突要因から意識をそらして生活の他の側面に目を向ける。ロマンチックな愛情がすり減っても結婚生活への責任感は維持され、夫婦は家を建てたり、子供を育てたり、キャリアアップを目指したりと、家族の利益となる共通の関心事に集中する。夫婦関係の満足度は低下するものの、協力して共同作業に取り組むことで前向きなつながりが生まれる。

5. 自分のことは自分で

相手に依存欲求を満たしてもらうのは幻想にすぎないと気づく。それぞれが自己満足を追求するようになり、自立が促され、自信が増す。幸福を求める先が配偶者から外部に移ることで、情熱が再び目覚めるとともに、2人の関係性の限界を認識する段階でもある。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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