しかし、ILC4プロジェクトの活動はもっと個人的だ。助けを求める人の多くは、行方不明や亡くなった大切な人の写真を取り戻したいだけだとザイデンバーグはいう。同氏の本業は、世界最大のビール製造会社でバドワイザー、ステラ アルトワといったブランドを運営するアンハイザー・ブッシュ・インベブを標的とするハッカーを阻止することだ。「ある人たちは、今持っているのは亡くなった親戚たちの写真だけ、それが残してきた人たちとの唯一のつながりなのですと私たちに言いました」とザイデンバーグがフォーブスに話した。
ICL4は避難民支援活動に加えて、戦争に関連するサイバー攻撃や詐欺行為の情報を市民が共有するための場としてDiscordグループを運営している。そこでは、ボランティアが支援を実施したり、政府のサイバー当局に情報を提供することができる。
ダガンらは攻撃的な行為、たとえば、ハマスに盗まれたデバイスへのハッキングや、iPhoneの「探す」アプリを通じてデバイスのデータを消去するようなことをするつもりはない。ガザの標的に対して独自の作戦を遂行しているイスラエル諜報機関の領域には踏み込みたくないとダガンとザイデンバーグは語った。
ILC4には90人ほどのボランティアがいて、死海やイスラエル最南端の都市エイラト近くの避難民が滞在するホテルを訪れているとダガンはいう。ILC4チームには心理学者が同行し、ボランティアと避難民の両方を支援している。
イスラエルでは多くのテック専門家が、ハマスの攻撃以来ボランティア活動に参加している。先週フォーブスは、諜報活動とサイバーの専門家が、SNSサイトから戦争の画像を収集し、アマゾンの顔認識を使って誘拐被害者や行方不明者の公式写真と照合していることを報じた。さらには、暗視ゴーグルや防弾チョッキなどの装備を寄付したボランティアもいる。
(forbes.com 原文)