車体前部にはエンジンがあり、バスルには主砲用の予備砲弾が格納されている。エンジンやバスルはメルカバの設計上、弱点になっている部分だ。実際、ハマスもメルカバの弱点などに関する手引書で、狙うべき箇所としてエンジン格納部の側面やバスルを挙げている。
7日のドローン攻撃でも、メルカバのエンジンやバスルを狙っているように見える。もし擲弾の命中した場所が砲塔だったなら、あまり大きな損害は与えられなかったかもしれない。
というのも、メルカバはほかの戦車と比べて、砲塔の屋根が厚めの装甲になっているからだ。これは過去、アラブ諸国の軍隊の対戦車ミサイルに苦しまされた教訓を踏まえた仕様である。
もともと高い防御力を誇るメルカバは、コープケージの追加によって一部の箇所の防護がさらに手厚になった。ただ、現状のケージでは最も脆弱な部分はカバーされていない。次のバージョンが登場したときに、ケージが大型化してバスルやエンジンも覆われるようになっていたとしても、驚くべきことではないだろう。
(forbes.com 原文)