宇宙

2023.10.04 18:00

太陽系外の岩石惑星、半数が「マグマの海」を持つ灼熱の溶岩天体か


太陽系に溶岩天体は存在しない。最も近い類似天体は、木星の最大級の衛星の1つ、イオだ。地球の月よりやや大きいイオは、常に木星の重力による作用を受け、火山から溶岩を噴出し、刻々と変化する表層にくぼ地を形成している。米航空宇宙局(NASA)の木星探査機ジュノーが撮影した最新画像は、イオの表面地形がいかに短期間で変化するかを明らかにしている。

ヤンセンの地獄のような世界

太陽系外にある最も有名な溶岩天体は、かに座の方向約41光年の距離にある太陽に似た恒星を公転するスーパーアースの「ヤンセン」だ。公転軌道を1周するのにかかる時間はわずか約17時間で、溶岩の海がある。

あまりに奇妙な天体のため、ほとんど知る価値のないものと思われるかもしれないが、この種の天体を研究すれば、惑星科学者らは地球の初期の歴史について知ることができると、ボーリーはいう。「惑星の形成当初は、特に岩石質の地球型惑星の場合、マグマの海の段階を経ながら冷えていく」とボーリーは説明する。「なので、溶岩天体により、ほぼあらゆる地球型惑星の進化の過程で発生した可能性のあることに関する何らかの知見が得られる」

今回の研究では、コンピュータモデルを用いて溶岩天体をシミュレーションした結果、液体の融解したマントルを持つタイプ、表面にマグマの海があるタイプ、この2つが混在するタイプの3タイプが存在する可能性があることを明らかにした。「この研究は、溶岩天体に関する興味深い疑問を新たに提起している」とボーリーは話した。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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