ポーランドの軍需企業ポルスカ・グルパ・ズブロイェニョーバ(PGZ)は「ほかの戦車の(修理)作業も進行中」だと明らかにしている。
PGZ傘下のブマル・ワベンディ社は7月下旬、ポーランド南部クラクフのすぐ西のグリビツェに保有する修理施設に、最初のレオパルト2A4を受け入れていた。ポーランドのマテウシュ・モラウィエツキ首相もこの施設を訪れ、取り組みをたたえている。
カナダやドイツ、ノルウェー、ポーランド、スペインといった北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、1980年代に開発されたレオパルト2A4を計54両ウクライナに供与すると確約している。ウクライナはこのうち40両を受け取っている。
西側諸国はこれまでにウクライナにおよそ400両の戦車の供与を表明しているから、レオパルト2A4は全体の8分の1ほどということになる。ほか約350両は、英国供与のチャレンジャー2、米国供与のM1A2エイブラムス、スウェーデン供与のStrv(ストリッツバグン)122、デンマーク・オランダ・ドイツの共同供与の古いレオパルト1A5などだ。
ウクライナ軍は全体ではおそらく戦車を2000両程度配備しており、ロシアによる全面侵攻の開始から1年8カ月ほどの間におよそ500両を失っている。それを踏まえると、400両という西側製戦車数はあまり多くないと思えるかもしれない。
だが、旧ソ連型戦車が壊れやすく、砲塔下の弾薬庫の保護がないため被弾時に爆発しやすいのに対して、西側製戦車は比較的頑丈なものが多い。
また、欧米の戦車では、弾薬庫にブローオフパネルやウォータースリーブが設けられるのが標準的だ。ブローオフパネルは誘爆時に吹き飛ぶことで爆風や炎などを車外に放出し、ウォータースリーブは弾薬が熱で自然発火(クックオフ)するのを防ぐ。