欧州

2023.10.04 09:30

レオパルト2A4戦車、ポーランドで初の修理完了 再びウクライナ戦線へ

レオパルト2A4戦車。2007年8月、ポーランド・ワルシャワで(Dariusz Majgier / Shutterstock.com)

つまり、レオパルト2A4はダメージを受けても、それが壊滅的なものにはなりにくいということだ。乗員は脱出でき、車両は工兵部隊が回収したのち、兵站(へいたん)部隊が修理拠点に輸送できる。2カ月もすれば新品同然の姿で前線に戻ってくるだろう。
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ウクライナに供与された40両のレオパルト2A4のうち、これまでに失われたのがわずか3両にとどまるのはそのためだ。ウクライナ軍では、南部ザポリージャ州のおよそ80kmにわたるロボティネ─メリトポリ軸で反転攻勢を進める旅団のひとつ、第33独立機械化旅団がすべてのレオパルト2A4を運用している。

独立系の調査グループによると、失われた3両は地雷を踏んだり、砲弾や対戦車ミサイル、爆薬を積んだドローン(無人機)を食らったりした結果、完全に焼失した。ほかに少なくとも4両のレオパルト2A4が軽度から中程度の損傷を被っている。このうち、とくに損傷がひどい数両がグリビツェに修理に出されていた。

レオパルト2A4の撃破数や損傷数に関する非公式の集計は信頼できる。というのも、その数は、映像ではっきり確認されている事実ともつじつまが合うからだ。第33旅団が9月上旬にソーシャルメディアに投稿した動画には、およそ30両のレオパルト2A4が野外の一角に並んで駐車していた。

ちなみに、動画に映っているレオパルト2A4のほとんどは、リアクティブアーマー(爆発反応装甲)が追加されていた。爆発反応装甲は、被弾すると外側に爆発し、敵弾の破壊力を鈍らせるもので、ウォッチャーたちはこれを備えたレオパルト2A4を「レオパルト2A4V」と名づけている。最近施されたこの追加装備によって、レオパルト2A4が撃破される可能性はさらに低くなっているかもしれない。
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ロシアによる侵攻が3年目に突入する情勢になるなか、ポーランドの戦車修理施設は、ドイツやルーマニア、英国にある修理拠点と並び、ウクライナの戦争努力にとって非常に重要なものになっている。PGZは「ほかの企業などが発表するのは将来のことですが、わたしたちはウクライナ側と話し合いながら現に行動しています」と述べている。

ウクライナ軍が運用する西側製戦車については、その大半が損傷を被ることも十分あり得る。なかには2回以上損傷する車両も出てくるかもしれない。だが、損傷した戦車が生き残り、回収されて修理され、再び戦いに戻ることもまた十分あり得る。戦争が続くかぎり、そうしたプロセスが繰り返されることになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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